2022 Fiscal Year Research-status Report
Study to clarify factors related to vaccine hesitancy in older adults
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21K10323
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 孔良 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30460356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
佐藤 豪竜 京都大学, 医学研究科, 助教 (20867965)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ワクチン忌避 / 高齢者 / 知的能動性 / 社会的役割 / 老々介護 / フレイル / インフルエンザ / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の予防接種の妨げとなるワクチン忌避*の要因として、健康情報等を自分で探す能力である知的能動性及び人の相談に乗る等の社会関係を維持するための能力である社会的役割の2つの自律機能の低下が関係している可能性を明らかにした。知的能動性は肺炎球菌ワクチンと関連が強く、社会的役割はインフルエンザワクチン接種と関連が強かった。この結果は、高齢者におけるインフルエンザと肺炎に関する重症度と感染伝播性に対する認識の違いが関係しているのかもしれない。これらの結果を国際学術誌に報告した(Scientific Reports, 2022)。 ほぼ毎日介護をしている、ほぼ一日中介護をしている等の重い老々介護負担が高齢者のインフルエンザワクチン接種の妨げになるワクチン忌避の要因である可能性を明らかにした。一方で、これらの介護負担は肺炎球菌ワクチンとは有意な関連は認められなかった。以上の結果を国際学術誌に報告した(Vaccine, 2023)。 フレイル**が高齢者のインフルエンザ罹患と重症化(入院措置)の危険因子であることを明らかにした。また、男性高齢者は女性高齢者と比較してインフルエンザが重症化しやすいことを明らかにした。しかしながら、フレイルと性の間には交互作用は認められなかった。これらの研究結果を国際学術誌に報告した(BMC Geriatrics, 2023)。このフレイルとインフルエンザの関係性を明らかにした研究結果は、高齢者のインフルエンザ予防接種の重要性を裏付ける発見である。 *ワクチンを接種できる環境があるにもかかわらず、副反応が怖い等、何らかの理由でワクチンを接種しないこと。**身体的、精神的、社会的機能が低下し、要介護状態の一歩手前にある状態。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度と同様に、本年度においても高齢者のワクチン忌避の要因を新たに明らかにした。また、フレイルとインフルエンザの関係性を明らかにし、高齢者のインフルエンザワクチン接種の重要性を裏付けることができた。これらの成果は3つの国際学術誌に掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は新型コロナウイルスワクチンに関するワクチン忌避の要因を明らかにし、学術誌に発表することを目標にする。
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Causes of Carryover |
前年度に論文掲載費や英文校正費が足りなくなる懸念が生じ、今年度の直接経費支払いの前倒しを行なった。
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Research Products
(4 results)