2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of termination-of-resuscitation rules for out-of-hospital cardiac arrest-of-hospital cardiac arrest
Project/Area Number |
21K10324
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
後藤 由和 金沢大学, 医学系, 准教授 (60282167)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 院外心停止 / 蘇生中止 / 病院前救護 / 医療社会学 / 疫学 / 転帰 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、(A)前年度に開発し論文発表した、院外心停止患者(特に初期心電図が心静止症例)に対応する「来院時蘇生中止基準の改良版(Crit Care 2022;26:137, DOI:10.1186/s13054-022-03999-x)」の追加研究(初期心電図が無脈性電気的活動である院外心停止例にも対応可能な「来院時蘇生中止基準」の開発研究)と(B)小児院外心停止に関する転帰予測モデル(本研究代表者が開発したモデル、Crit Care 2014;18:R133)の外部検証の研究を主な課題とした。(A)の課題においては、消防庁が集積しているウツタイン・データ(N=630,489、2016-2020)を解析・検討した。その結果、無脈性電気的活動初期心電図傷病者が来院した時点で次の項目を満たした場合、すなわち、(1)目撃が無い(2)救急隊の病院前蘇生時間>20分(3)病院到着までに一度も自己心拍再開が無い(4)年齢が80歳以上であることの4項目すべてを満たした場合に、来院後の救命処置を実施することなく、蘇生を中止できるとした。本基準は、心停止後1か月後の死亡予測に対する陽性的中率と特異度が共に99%以上であった。この基準の適応割合は、無脈性電気的活動心停止患者のおよそ8%に該当していた。また、(B)の課題においては、小児院外心停止のウツタイン・データ(N=6,516、2016-2020)を用いて検討した。その結果、4階層分類モデル(Good:生存率80%、Moderately good:生存率50%、Poor:生存率10%、Very poor:生存率5%)は適正性に運用可能であることが示された。以上の研究成果は、第51回日本救急医学会総会・学術集会および欧州心臓病学会2023において発表された(EHJ 2023;44(suppl2):ehad655.1601 and 1573)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の課題であった2課題を公表することができたので、おおむね順調と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の英文論文化に至らなかったこと、および心停止発生場所データの解析が不十分であったため、本研究課題を1年延長することとした。
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Causes of Carryover |
英文誌掲載費用の予定であったが、年度内に論文採用に至らなかったため、次年次使用額が生じた。本金額は論文掲載費として、次年度に使用したいと考えている。
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