2024 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト細胞を用いた治療及び基礎研究の規制策定議論に資する実態調査
| Project/Area Number |
21K10326
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| Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤田 みさお 京都大学, iPS細胞研究所, 特定教授 (50396701)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | iPS細胞 / 再生医療 / ヒト胚 / 生命倫理学 / 質問紙調査 |
| Outline of Annual Research Achievements |
(A)自由診療で提供されている細胞治療の分析:厚労省が公開する2,377医療機関による3,467件の説明文書を分析し、自由診療の再生医療に対する国の還付金額が年間1億~2,382億円にのぼる可能性を示した。こうした治療の中には科学的根拠の乏しいものも含まれており、再生医療法の構造的課題が背景にあることが示唆された。また、再生医療法下の治療では、約10万件の細胞投与に対して10件未満の有害事象しか報告されていないことを明らかにし、報告体制に課題があることを指摘した。さらに、エクソソームを用いた治療にも同様の問題が見られ、安全性の確保と規制の明確化が急務であると提言した。 (B)細胞治療に関するKAP調査:ヒト細胞を用いた治療に関する一般市民の認知度、関心、受療行動を明らかにすることを目的にオンライン調査を計画し、仮説設定と質問紙の作成を行った。最終的に調査の実施には至らなかったが、これは自由診療で提供されている細胞治療について新たな研究テーマに着手したことが大きく影響している。 (C)ヒト胚を用いた基礎研究に関する意識調査:一般市民3,096名を対象に、生殖細胞の作製・受精・臨床利用に対する態度を調査した結果、作製は78.6%、受精は51.7%、臨床利用は25.9%が容認し、21.4%は研究自体を容認しなかった。ヒト胚へのゲノム編集に関する調査(一般市民4,424名、研究者98名)では、市民の45.8%が生まれてくる子の遺伝子を改変するゲノム編集を「いかなる目的でも認められない」と回答し、より寛容な研究者との受容意識の乖離が顕著であった。いずれの調査も、今後の規制緩和や技術の利用に関する社会的議論において、多様なステイクホルダーの価値観に配慮した丁寧な進め方を模索する必要があることを示唆している。
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