2023 Fiscal Year Research-status Report
Effective employment support for families of children with medical care
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21K10341
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
荒木 俊介 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (20515481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 尚 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (50722146)
田村 正徳 佐久大学, 看護学部, 客員教授 (50143459)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医療的ケア児 / 在宅医療 / 就労支援 / 職業性ストレスモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年10月から12月にかけて、全国9か所の研究協力機関(医療機関、NPO)への通院、利用をしている医療的ケア児の保護者に対してインターネット調査を行った。回収率は93.1%であった。調査項目は、属性、子どものケアの状況、回答者の就労状況、心理的ストレス反応(K6)、雇用形態、職場に関する情報、職場環境(職業性ストレス簡易調査票)を聴取した。本報告では働いている回答者59名(全体の48.8%)を解析の対象とした。父親4名、母親55名、雇用形態は、正社員22名、派遣社員0名、パート34名、自営業3名、職種は、専門的・技術的職業従事者17名、その他12名、事務従事者とサービス職業従事者が10名子どもの就学状況は、就学している32名(通学の付き添い必要11名、不要21名)、就学していない27名、1日のケアに要する時間は、8時間未満20人、8~16時間21名、16時間超18名であった。医療的ケアが必要な子どもの就学状況、1日のケアに要する時間、通学の際の付き添いの有無で層別化して、仕事の量的負担、仕事の質的負担、仕事のコントロール、上司の支援、同僚の支援と心理的ストレス反応との関係については、いずれも有意な差を認めなかった。医療的ケア児の保護者は高ストレス群であることが明らかとなった。職場の心理社会的要因と心理的ストレス反応との関係へのケアの負担の影響を検討したところ、関連がある要因は確認できなかった。このことは、従来の職業性ストレスモデルでは、医療的ケア児の親の職業性ストレスの把握することの難しさを示唆している。その背景には、親の児へのケアの位置づけが、「負担」と捉えるのではなく、「生きがい」「働きがい」などの価値観の影響が大きく、多様であることが影響して可能性があり従来のケアを負担と捉える支援では対応が難しくなることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究初年度はコロナ禍による県外の施設の視察、インタビューが予定通り遂行できず、調査協力機関の募集に時間を要した。しかし、現在は予定通り調査研究を遂行でき、調査結果をまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
予定より一年遅れたが産業保健職が参加する専門学会で、調査研究を発表し、医療的ケア児の保護者の就労に関わる課題について啓発する。また、英語論文で発表を予定している。
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Causes of Carryover |
成果発表の学会参加及び論文作成に計上した費用が未使用であるため
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