2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K10344
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
長神 風二 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (80501957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田宮 元 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (10317745)
相澤 弥生 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50772729)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 疾患発症リスク / 遺伝情報の返却 / 個別化予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全ゲノム規模の解析情報から計算された疾患発症リスクを本人に返却することにおける倫理的法的社会的課題(ELSI)について検討を行っている。 まず、1990年代以降のGWASの誕生から大規模化、大規模化の限界(効果の小さなバリアントのみが検出される)が明らかになってきたこと、その後、細かい民族属性ごとに分けたGWASが行われるようになってきたこと、などの研究の流れの概括を行った。また近年、Risk score計算などが多様な集団で必ずしも十全に機能しないことが広く言われる中で、民族バイアスを克服する方法論の議論が行われ、また、monogenic / polygenicという従来の疾患区分の妥当性が見直されつつあり、これまでmonogenicとされてきた疾患にも多様なバリアントの考慮が必要なことの認識が必要になってきた流れについても再確認を行った。 また、文献調査として、risk prediction、 polygenic risk score、 genetic risk score 、PRS、 GRSとELSIとの組み合わせによる検索などから、上述の研究の流れとの相関などを検討している。いくつかの文献等で報告されているようにGRSの返却事例は冠動脈疾患などで既に多数あり、これらの事例をもとにシナリオを抽出し、研究計画当初に検討したシナリオの補強に用いインタビューの準備を進めている。 今後は、これらの検討をもとに、現行の社会・制度における健診や診療の現場で疾患発症リスクを利活用することにおける多くの課題を抽出整理していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者を交えた打ち合わせ機会などの設定が遅れ、当初計画していたシナリオ作成やインタビュー準備などに至っていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者を交えた打ち合わせと検討の設定が遅れ気味であり、また、分野の進展も著しいので、今後、定期的な検討会とドキュメント化を進めていく。
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Causes of Carryover |
令和3年度に計画していたシナリオ作成やインタビュー調査等を、新型コロナウイルス感染症による出張の難しさなどもあったことから令和4年度以降に延期したため。
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