2022 Fiscal Year Research-status Report
地方自治体がポピュレーションストラテジーとして行う減塩対策事業の費用対効果の評価
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21K10350
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 寿一 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院教授 (10285223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 友一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (10732703)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 減塩対策事業 / ポピュレーションストラテジー / 推定一日塩分摂取量 / 学校給食 / 脱落率 / 費用対効果分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
評価データの回収率について、全体的には、開始半年後の継続率は96.8%と良好(この脱落ペースが維持できれば最終回の継続率は82.3%となる予定)であったが、開始1年後の継続率は86.8%、開始1.5年後の継続率は78.7%と脱落ペースが次第に上がっている。このペースが続くと最終回の継続率は61.9%になる予定であり、研究結果(減塩事業の評価)の妥当性が損なわれることになる。階層別にみると、とくに開始時に中3の参加者が中学を卒業すると学校でのデータ回収がなくなることもありdropoutする場合が多い(8例/16例)。 世帯単位でみると、登録世帯69世帯のうち、開始1.5年後に家族全体が脱落した世帯は6世帯(8.7%)である。また、子供は継続しているが家族の誰かが脱落した世帯は15世帯(21.7%)、子供のみが脱落した世帯は3世帯(4.3%)であった。一方、家族全員が継続している世帯は45世帯(65.2%)である。 また、継続しているものの中にも、尿検体は提出しているがBDHQを提出していないものが10名おり、今後の継続が危ぶまれる。BDHQは提出しなくとも、尿検体は提出していただくようお願いしていくことも必要である。 当該事業に要した費用は、介入開始前の2020年度は222万円(うち人件費114万円)、2021年度は457万円(うち人件費320万円)であった。コロナ感染が蔓延している中で研究が始まったことで、現在までのところ、当初予定していた地域住民(家族)に対する介入の一部ができなかった。その分、事業費用が当初予定より低くなっている。介入効果を高めるためには、コロナ感染が落ち着いたら地域住民への介入を強化する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ感染が遷延化しており、2022年度も地域住民が集まる機会を設定することが困難であり、予定していた介入の一部(地元の小売店での減塩コーナーの設置、地域住民を対象とした減塩料理教室開催など)を実施することができなかった。一方、小学生、中学生への介入は概ね予定していたとおり実施できた。 介入開始1年後、1年半後のデータ収集に関して回収率が下がってきており、dropoutが増えないようにデータ提出依頼を強化する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
中津川市が実施する健康づくり推進事業の「地域ネットワークを利用して取り組む減塩プロジェクト」では、研究計画書通り3年間の介入が行われる予定で、本研究の今後のデータ収集時期は、介入開始2年後(2023年5月頃)、介入開始2年半後(2023年11月頃)、介入終了時(2024年5月)であり、その後介入が推定一日塩分摂取量に及ぼす影響について解析する。
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Causes of Carryover |
理由:今年度に収集したデータの入力作業が、一部次年度に持ち越したことにより今年度に計上してた予算の一部を次年度に持ち越す必要が生じたため。
使用計画:次年度に持ち越す予算は、次年度に予定より増額することが見込まれる人件費に回す。
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