2021 Fiscal Year Research-status Report
日本版クローズドクレームデータベースのディープラーニングモデルに関する研究
Project/Area Number |
21K10359
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
藤代 尚文 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (60601789)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河内 正治 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60152972)
大滝 恭弘 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60464004)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 医療安全 / クローズドクレーム / データベース / ディープラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、損保ジャパン株式会社(SJ 社)の保有する医療事故に関するクローズドクレーム(法的に決着のついた賠償請求)を収集・分類・整理することにより構築中のクローズドクレームデータベースを利用して、類似の医療事故を導出し、また、医療事故が及ぼす法的・経済的影響を予測するディープラーニングモデルを作ることである。さらに、我々が所属する帝京大学の医療現場に本ディープラーニングモデルの試用を依頼し、現場の医療従事者からその使い勝手、および予測精度についてフィードバックを受けることにより、実際の医療現場で利用しやすいユーザインタフェースを明らかにして、実用化に向けて一定の目途を得ることである。
2021年度はまず、AWS(Amazon Web Service)のクラウドサーバー上にクローズドクレームデータベースを完成させ、SJ社から提供される医療事故情報を本データベースへ登録する体制を整えた。登録作業は順調に進んでおり、2022年5月現在において、6000件を超える医療事故情報が本データベースに登録されている。
次に、クローズドクレームデータベースに登録された医療事故情報を整理して要約する作業が進められているが、この作業で作成された要約文を用いて、自然言語処理ディープラーニングモデルBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)による類似医療事故抽出システムを開発した。本システムの検証を進めているが、類似事故を高精度に抽出できている感触が得られている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究開始前にプロトタイプ版のクローズドクレームデータベースで試行錯誤を済ませており、そこから十分な知見が得られていたことから、スムーズに本研究を進めることができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り、クローズドクレームデータベースに登録された医療事故情報の分析を進め、医療事故が及ぼす法的・経済的影響を予測するディープラーニングモデルの構築を試みる。また、構築したディープラーニングモデルを活用するためのユーザインタフェースの開発も進める。
|
Causes of Carryover |
本研究で導入したディープラーニング用計算機DEEP-7049GP-XeS4-XAQXが大きな騒音を発生させ、研究代表者のみならず、本研究に無関係の同室の教員にストレスを与える状況となった。環境改善のために早急に騒音を低減させる必要が生じ、226,000円の特注品の静音ラックを導入することにした。事務方と相談のうえ、納期を早めるために研究代表者による立て替え払いでこの静音ラックを注文し、物品は既に納入されている。2021年度の残額199,610円ではこの立て替え払い分を精算することができなかったため、残額を次年度使用額として繰り入れ、2022年度に新年度予算と合わせて精算することにした。
|
Research Products
(1 results)