2021 Fiscal Year Research-status Report
Recommendations on how medical information management should reflect the values of patients and citizens
Project/Area Number |
21K10360
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
鈴木 みづほ 東海大学, 医学部, 助教 (00845521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 啓 東海大学, 医学部, 教授 (10276248)
大貫 優子 東海大学, 医学部, 准教授 (20384927)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 機微情報 / 電子カルテ / アクセス制限 / 医療情報の多様化 |
Outline of Annual Research Achievements |
どのような医療情報をプライバシーの保護対象として他の医療情報と分けて管理するのかは医療機関によって多様であり、一定の基準は存在しない。応募者等の先行研究では、どの情報項目にアクセス制限を設けるかは、医療者のパターナリスティックな視点で決定されていることが考えられた。確かに、医療機関は取得した患者の個人情報の管理について一定の裁量を有しているが、本来患者や市民の認識が反映されることが望ましい。本研究では、アクセス制限等により通常の医療情報と異なる管理が必要な医療情報を「特別な医療情報」と定義し、まずは医療情報を管理している診療情報管理士がどのような情報項目を特別な医療情報と捉えているかを探索するためにインタビュー研究を立案した。 研究対象者の所属施設、もしくはWEB環境が整ったオンライン上で20名を目標に、ウェブページやソーシャルネットワーキングサービス等を通じて研究対象者を募集したところ16名の診療情報管理士から協力が得られた。16名の診療情報管理士の 語りと施設実態から、医療情報における機微情報の管理、リテラシー教育などの課題を分析中である。今後これを踏まえて、医療者・患者・市民がどのような情報項目について、どの程度の機微性があると認識しているのかについても検討する。今後、診療記録をクラウドで管理し多施設で共有したり、診療記録をビッグデータ化して二次利用を推進する場合においても、個別の情報項目に対する患者・市民の機微性の認識や医療者との乖離を調査することは大きな意義がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究対象者の所属施設、もしくはWEB環境が整ったオンライン上で医療情報の管理者20名を目標に、ウェブページやソーシャルネットワーキングサービス等を通じて研究対象者を募集した。大規模医療施設での機微情報の管理という点と、10年以上の医療情報の管理事務職の研究協力者を得ることに困難があり、機縁法による研究対象者の抽出が遅れた。新型コロナウイルスの蔓延防止重点措置の中でインタビューに協力を得られるためには、ZOOMなどのwebシステムと守秘性に配慮した部屋の確保が必要不可欠であったが、診療情報管理士の事務職の一人一台のパソコンが与えられているわけではなかったことやインタビュー可能な部屋の確保が遅れた原因の一つにある。最終的には16名の診療情報管理士から協力が得られた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は研究対象者をさらに広げた質問紙調査を予定している。患者・市民および医療者(医師・看護師)を対象に、情報項目ごとに機微性の程度を問う設問調査を行う。患者・市民については、①遺伝性疾患の患者・家族 100名(当院の通院患者の他、応募者らが知己である患者会に対し、可能な範囲で協力を依頼する)、②定期的な通院をしている人 500名、③定期的な通院をしていない人 1000名を対象に行う(②と③については、調査会社のパネルに回答を依頼する)。医療者については、医療機関グループに依頼し、所属する医師と看護師に電子メールでウェブ上の質問紙への回答を要請する。2022年度までの研究成果に基づき、診療記録の情報項目におけるアクセス制限と管理・利活用の在り方についての提言を作成する。
|
Causes of Carryover |
インタビュー対象者が予定より減少したことにより、謝金やテープ起こしの代金が減額となり、前年度の予算が少額余剰した。今年度は大規模なアンケート調査になるために、その研究対象者のリクルートに業者への業務委託も必要となる。今後はデータの解析、煩雑なアンケート調査の集計に人件費などを充填し研究を行う予定である。
|
Research Products
(2 results)