2022 Fiscal Year Research-status Report
乳癌治療経験者を対象とし医療介入に対する経済毒性とQOLを検証する前向き観察研究
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21K10364
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岩谷 胤生 岡山大学, 大学病院, 講師 (90771379)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 経済毒性 / 乳癌 / QOL |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、わが国で乳癌治療を経験した患者を対象とし、Web調査手法を用いて医療介入に対する経済毒性とQOLを検証する横断的前向き観察研究である。本研究は、①医療的介入に対する患者の経済的負担の実態を「経済毒性」と定義して明らかにする、②経済毒性のリスク因子を明らかにする、③経済毒性が患者のQOLに与える影響を明らかにする、④経済毒性が乳癌患者の受療行動や意思決定に与える影響を明らかにすることの4点を目的とし、最終的には経済毒性が患者の生存やQOLに与える影響について解明することを目指した研究である。申請者はWeb調査システム上に、医療的介入に対する乳癌患者の経済毒性をComprehensive Score for Financial Toxicity (COST) Toolを用いて定量的に評価するための評価表を構築した。さらに選好に基づく尺度であるEuroQOL 5 dimensions 5-level (EQ-5D-5L)を用いたQOL値の測定および、患者の乳癌の病状、社会的背景、受療行動、治療選択肢の意思決定の詳細も同時に調査するための調査システムを合わせて構築した。さらに選好に基づく尺度であるEuroQOL 5 dimensions 5-level(EQ-5D-5L)を用いたQOL値の測定および、患者の乳癌の病状、社会的背景、受療行動、治療選択肢の意思決定の詳細も同時に調査するための調査システムを合わせて構築した。調査項目の作成に関しては、臨床研究者だけでなく、臨床研究への患者参画を促進する観点からも患者代表者を含んだ研究協力者とともに具体的な質問と選択肢を構成し、臨床的・社会的意義のある研究が出来るように配慮した。予定症例の500例を登録した。COST尺度による主観的経済毒性の有病率が68%であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載の通り、研究計画で予定した症例数を登録し、主たる解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度前半はは解析を行う。解析は1)COST尺度のGrade、2)EQ-5D-5LのQOL値、3)経済毒性のリスク因子、4)経済毒性が患者の受療行動や意思決定に与える影響について解析と分析を行う。2023年度後半に学会発表及び論文化を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症のより国際学会がリモート開催となったため、旅費として計上したコストを含めて差が発生した。使用計画としては次年度に必要な解析に必要なコストに充てる予定である。
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Research Products
(3 results)