2022 Fiscal Year Research-status Report
大規模臨床試験データと実臨床データとの患者背景の乖離に関する研究
Project/Area Number |
21K10368
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
高嶋 泰之 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (50706562)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 真人 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90199589)
土岐 浩介 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (90620881)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | DOAC / ダビガトラン / 大規模臨床試験 / 出血イベント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、直接経口抗凝固薬(DOAC)の当院の実臨床データを後方視的に調査し、副作用予測因子と薬物血中濃度との関係を明らかにすることである。 まずは、ダビガトランエテキシラート(DE)の実臨床データを後方的に調査し、承認申請資料として使用された大規模臨床試験(RE-LY試験)の患者集団との違い、副作用の発現状況について調査した。 さらに患者データ数を増やし、2014年4月~2021年3月にDEを投与したカテーテルアブレーション(ABL)予定の心房細動患者496名を対象にDE投与による出血リスクと、RE-LY試験の適格基準(選択基準及びABL以外の除外基準)との関連を検討した。 ABL患者の平均年齢はRE-LY試験よりも低く(63 vs.72歳)、投与期間は、RE-LY試験よりも短かく(146vs.730)、CHADS2スコア0-1の割合は、RE-LY試験よりも高かった(75.6vs.32.2%)。DEの投与量は、RE-LY試験での高用量群に相当した。出血事象は72名(14.5%)にみられ、そのうち大出血は20名(4.0%)であり、いずれもRE-LY試験(6.2%)より低かった。除外基準(ABL以外)に該当した32名中14名に出血事象がみられた。除外基準のうち、特に出血リスクが高いに該当した16名中8名に出血事象がみられ、貧血に該当した7名中4名に出血事象がみられた。出血事象が発現した72名は、脳梗塞等の既往、糖尿病/高血圧合併が高い傾向にあり、23名はアミオダロンを併用していた。 RE-LY試験の出血リスクに関する除外基準は、DEによる出血事象の発現予測にも適用できると考えられた。除外基準以外の背景要因として「脳梗塞等の既往、糖尿病または高血圧の合併、アミオダロン併用」の影響が考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後の研究の推進方策として想定していたダビガトランエテキシラート投与患者データを増やすことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
最近、ABL周術期に他のDOACからダビガトランエテキシラートに一時的に変更する「DEブリッジ」が開発され(図1)「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018)アップデート版」に掲載された。当該患者データ数も増やし、さらなる出血リスク等の背景因子を特定する。 さらに、当該データを用いて、生物学的薬物動態学(PBPK)モデル解析を行い、患者背景の違いによる薬物血中濃度と薬効・副作用との関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
以下の理由から当該使用額となった。 ・予定していた論文投稿が次年度になったこと。 ・分担研究者の1名については、コロナ禍により学会Web参加も多く、未使用であったこと。
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Research Products
(2 results)