2021 Fiscal Year Research-status Report
Regulatory Systems and Education Environment for Promoting Research Integrity
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21K10374
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 達也 京都大学, 医学研究科, 講師 (00452342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 美香 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (60555259)
伊勢田 哲治 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80324367)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 研究公正 / 教育環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はフォーカスグループインタビュー手法を用いた研究者の研究公正・不正に関する意識調査の研究を進め、研究者が刻々と変化する研究政策や研究環境から自身の研究の方向性や判断に不安を抱えているというを知見を得た。本研究は、これまでの研究結果に基づき国内の研究公正の推進対応策を確立することを目的に、国内のルールや制度、並びに政策などの実情調査を開始した。最終目標は研究公正推進のための指針や教育プログラムの構築等により研究成果を研究現場に還元することである。 令和3年度は、国内の政策調査や法律・ルールの制度的調査を行った。まず研究に関する日本の政策調査に関しては、国立大学が独法化されて以降は、文科省が中心に研究不正防止のためのガイドラインなどが策定された。そして2010年代より研究不正が大きく取り上げられたため、大学や研究機関においてガイドラインなどが整備された。しかし、概念的な内容が多く、具体的な行動内容は今後の課題である。また研究代表者の先行研究からも理系・文系分野ごとで研究公正に対する考えは異なっていることが判明したため、ある程度の研究領域別の研究公正に必要な知識は整理が必要であることもわかった。一方で、研究公正を推進するための組織団体などが設立・整備されて、eラーニングやセミナーなどの教育機会も増え、教育ツールも活用され教育環境も独法化後に大きく変化したこともわかった。更にeラーニングの普及により一定の効果はあるものの、研究分野・領域による差別化も検討・整理が必要であることもわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、公開されている情報をもとに調査・分析を行うため、新型コロナウイルス感染症による実施困難などの影響を受けにくく、公開情報の入手も比較的容易であり、研究自体の進捗はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は国内の政策調査や法律・ルールを中心に実施してきたが、令和4年度は調査範囲を広げて、海外の政策調査や法律・ルールなどの分析を進める。米国や欧州など研究公正に対して先進的に教育や施策を実施しているところが中心になり、様々な取り組みを通して、日本のあるべき仕組みなどを検討する。
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Causes of Carryover |
令和3年度では、研究活動に関しては公開情報を中心に収集し研究を進めた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響で学会参加はWeb開催を中心としたものとなり、現地参加はしなかったため、想定していた予定していた支出は見込めなかった。R4年度も新型ウイルス感染症の影響も確認しつつ、学会参加がWeb開催中心となれば、情報収集のための活動を早期に修正することを検討する。
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