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2022 Fiscal Year Research-status Report

猫ひっかき病のヒトへの感染予防に向けたネコワクチン・急性期診断・抗原バンクの開発

Research Project

Project/Area Number 21K10398
Research InstitutionYamaguchi University

Principal Investigator

大津山 賢一郎  山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (10432741)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 常岡 英弘  山口大学, 大学院医学系研究科, 教授(特命) (40437629)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords猫ひっかき病 / ワクチン / 診断キット / CSD抗原バンク
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、猫ひっかき病(CSD)の病原菌であるBartonella henselaeからCSD患者血清を用いて1)抗原同定を探索し、2)同定された抗原で診断キットおよびワクチン開発を行い、3)それらの抗原をCSD抗原バンクとして公開することである。
まず、これまでの報告でCSD患者血清を用いたIgMウエスタンブロット解析において4群の抗原を確認している。これらはCSDの診断の標準法の間接蛍光抗体法(IFA)のうちIgMについて陽性であった患者血清では全てIgMウエスタンブロットで検出される。これらの4群の検出とIgM-IFAを比較検討するといずれのCSD患者血清も1群以上の検出が見られる。つまり4群の抗原のいずれかが検出されればCSDであると言える。
2022年度は1)考えられる4群の抗原のうち半数以上の患者血清と反応している10kDa付近の抗原同定を試みた。10kDa付近の抗原は127遺伝子が考えられたが、質量分析によりアサインが多く出ている2遺伝子について検討した。最もアサインが多く検出される遺伝子は予想された10kDaをはるかに超える分子量であったが、この遺伝子はプロモーター領域がいくつかあり、それらはおよそ10kDaをコードすることがわかった。現在それぞれの遺伝子について解析中である。また、もう一つの遺伝子は抗原ではなかったことを確認した。
また、10kDaの分子量は蛋白質の中でも小さいのでそれ以外の検討も行った。論文投稿を考えているので詳細は述べないものの蛋白質以外の可能性は低いことを確認した。
したがって、2)、3)は2022年度は達成できていないが、着実に全抗原同定に近づきつつある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

目的とする抗原が蛋白質以外の可能性も考えられた。B.henselaeはグラム陰性桿菌であるため外膜としてLPSが存在する。その一つとして病原性を示すLPSに着目した。LPSは銀染色により低分子量から高分子量まで存在し、最近のLPS抽出キットを用いて銀染色によりその抽出を確認した。そのLPSを使って全ての抗原として考えられる4群にそれぞれ反応する患者血清を用いてウエスタンブロットにより確認した。その結果LPSはどの患者血清とも反応がなく、LPSの可能性は除外された。
現在、4群のうちの1つであり約60%のCSD患者血清で反応する10kDa付近の解析を進めている。タンパク質としても非常に小さなものであるが、高率で検出されるためこの解析は必要不可欠である。
質量分析にかけ2遺伝子に候補が上がっていたが、1つはCSD患者血清を用いたウエスタンブロット解析の結果抗原ではないことを確認した。一方最も有力な蛋白質は我々が認識していた10kDaよりはるかに大きかった。アミノ酸配列を確認したところ複数のリピート配列がありこの分子量はおよそ10kDaであることがわかった。現在この解析を進めている。
したがって、その蛋白質以外の抗原を鑑みた実験や抗原候補となる蛋白質の特殊性の解析のためにやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

現在10kDa付近の解析を進めており、この解析を最優先に行う。また、その他3群についても随時行うこととしている。現在30kDa付近については抗原を1つ同定しているがさらに複数の存在が考えられるため解析を行う。
これら4群全て同定した段階でこれら抗原を用いたELISAを作成し、IFAとの結果を踏まえてその臨床的有用性について検討する。
一方、これらの抗原をまずはマウスを使ってワクチン効果が見られるかどうか確認する。その結果を踏まえて、ネコへの接種を行いその効果を検証する予定である。

Causes of Carryover

解析費用が予定より低額に抑えられたために研究費用を抑えられた。2023年度は研究がやや遅れているため、未使用額を解析や物品購入などに活用させていただき目標達成に努める。

  • Research Products

    (3 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Clinical utility of indirect fluorescent assay for IgA class antibodies against Bartonella henselae in serodiagnosis of cat scratch disease in its early stage2022

    • Author(s)
      Tsuneoka Hidehiro、Otsuyama Ken-ichiro、Hirano Akari、Nojima Junzo、Nishikawa Jun、Ichihara Kiyoshi
    • Journal Title

      Diagnostic Microbiology and Infectious Disease

      Volume: 104 Pages: 115809~115809

    • DOI

      10.1016/j.diagmicrobio.2022.115809

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] リンパ節生検により診断に至った猫ひっかき病の一例2022

    • Author(s)
      伊藤 渉,山本 薫,佐々木貴宏, 大津山賢一郎,星井嘉信,常岡英弘, 太田康晴
    • Organizer
      第128回山口大学医学会学術講演会
  • [Presentation] 間接蛍光抗体法によるBartonella henselae IgA抗体価測定の臨床的有用性2022

    • Author(s)
      大津山賢一郎,常岡英弘
    • Organizer
      第92回日本感染症学会西日本学術集会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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