2021 Fiscal Year Research-status Report
自己抗体を用いた自己免疫疾患・発症予測バイオマーカーの探索
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21K10400
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
加藤 貴彦 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (70169506)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己抗体 / 抗核抗体 / 妊婦 / ライフスタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中の母親とその出生児から収集された血清を用いて自己抗体の分析を行い、母親と出生児の質問紙調査票・医学的データによる健康指標との関連性について、横断的かつ縦断的な解析を実施し、血液レベルで検出できる新たな発症予測自己抗体バイオマーカーを発見することである。自己抗体の分析対象者は、妊婦1,417例と生まれた児のなかで血清が得られた360例である。分析対象する抗体は抗核抗体の他、特異的自己抗体としてS100A8、S100A9、S100A10、Ro52、Ro60を計画している。 本年度は、1,353名の妊婦の代表的な自己抗体である抗核抗体を測定した。40倍以上を陽性と定義し、陽性者は全体の16.8%、そのうち95.2%がspeckled pattern、71.8%がhomogeneous patternであった。陽性者群と非陽性者群のあいだで比較解析を行ったところ、平均年齢のみ有意差が認められ、その他の身長、体重、出産経歴、喫煙習慣、パートナー喫煙習慣、飲酒歴に関して有意差はみられなかった。抗核抗体は年齢が高いほど陽性率が高いことが報告されており、従来の報告と一致している。 現在、身体的特性、喫煙、飲酒、ライフスタイル、職種、化学物質曝露に関するデータの統合を完了し、各項目と抗核抗体との関連性について解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度計画であった妊婦1,353名の抗核抗体の分析が終了し、対象者すべてのデータクリーニングを完了した。現在、疫学的な解析を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
妊婦1,353の疫学解析の結果について論文作成中である。また、研究対象者の出生児の抗核抗体を測定し、2世代にわたる縦断研究のための研究準備を整えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症拡大に伴い、学会がオンライン開催となり、旅費が削減されたため。また、分析費用が削減できたため。
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