2021 Fiscal Year Research-status Report
無機ヒ素とマンガンの複合暴露による脳神経細胞障害における相互作用の解明
Project/Area Number |
21K10422
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
人見 敏明 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (90405275)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 礼子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (30321897)
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (90081661)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児 / 無機ヒ素 / マンガン / BBBバリアー障害 / 認知発達機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
自然由来の無機ヒ素(iAs)の飲料水汚染が原因した大規模な慢性ヒ素中毒は、未だアジアや中南米諸国において終息していない。慢性ヒ素中毒の発生地域では小児における認知発達障害や成人での認知機能障害が新たな問題となっている。さらに、非ヒ素汚染地域である欧米の各国では食事からのiAs摂取による認知機能障害の発生も示唆されている。他方、パーキンソン病の原因としてマンガン(Mn)は古くから知られているが、最近、iAsも原因物質になる可能性が示唆されている。現代人は食事からiAsやMnの摂取が普通に行われている。しかし、iAsやMn暴露と認知機能障害やパーキンソン病における発症メカニズムは殆ど解明されていない。 本研究では、iAsやMn暴露後の脳神経細胞の傷害に関して、まず血液脳関門(Blood Brain Barrier: BBB)の構造や機能への影響について検証を試みた。検証の新たな技術として、BBBの構造を模範したrat in vitro-BBB modelを用いた。rat in vitro-BBB modelはWistar系ラット由来の初代脳培養細胞の血管内皮細胞とペリサイト、アストロサイトを三重共培養により作製した。 Rat in vitro-BBB modelを用いて、iAsやMn暴露、また、相互作用としてiAs+Mn暴露後のBBBにおけるiAsやMnの透過性を評価する。次いで、BBB-タイトジャンクション(TJ)機能への影響も評価する。そして、その原因となる酸化ストレス応答との関連性も検討し、認知機能障害やパーキンソン病の予防医療に寄与できる研究成果の獲得を目的とした
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Rat in vitro-BBB modelは構造が複雑であるために、まず、構成細胞である血管内皮細胞とペリサイト、アストロサイトの単体細胞を用いて、iAsやMn、iAs+Mn暴露後の一般毒性試験、酸化ストレス応答などの基礎的研究を検討した結果、rat in vitro-BBB modelを用いた本研究計画の予定がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Rat in vitro-BBB modelを用いて、iAsやMn暴露、また、相互作用としてiAs+Mn暴露後のBBB-TJ傷害の解明に向けて、酸化ストレス防御タンパク(Nrf2、HO-1)とTJタンパク(Claudin-5、ZO-1)の発現について相互関係を解明する。これらの研究成果から、iAsやMn暴露による認知機能障害やパーキンソン病の発症において二つの元素の同時暴露は傷害を増悪するか否かを予測する。
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Causes of Carryover |
理由)令和3年度に予定していたBBB構造を模範したrat in vitro-BBB modelでのiAsとMnの相互作用検討の実験が延期したため、その結果として研究費の使用が次年度に繰り越しになった。 使用計画)令和3年度未使用額と令和4年度助成金を併せて、rat in vitro-BBB modelでのiAsとMnの相互作用の検討を行い、その際に使用する一般試薬、分子生物学的試薬、プラスチック器具類、細胞、成果発表のための旅費、それらに付随する学会参加費に充当する。
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