2022 Fiscal Year Research-status Report
リスクに対応できる社会を目指した生活環境中ラドンのダイナミクス研究
Project/Area Number |
21K10426
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
迫田 晃弘 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核燃料・バックエンド研究開発部門 人形峠環境技術センター, 研究職 (50603221)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ラドン / トロン / 発生 / 移流 / 拡散 / リスク |
Outline of Annual Research Achievements |
ラドンは希ガスの天然放射性元素で、土壌や建材などに含まれるラジウムを起源とする。ラドンはあらゆる場所に存在するため、環境動態や健康影響の理解、および公衆のリスク認知は重要である。本研究では、生活環境中に存在するラドンの動態解明に向けて、屋内外でラドン濃度や気象などの関連パラメータを連続測定し、ラドン濃度の変動をモデル解析する。また、様々な科学的知見と社会のあいだに存在する科学者のあり方についての考察を行うとともに、これに資するリスク評価をラドンをモデルケースとして行う。 今年度は、昨年度に開始したモデルルーム内と周辺屋外における各種測定を継続し、完了した(空気中ラドン・子孫核種濃度、土壌・建材からのラドン散逸率、建材の表面温度・含水率、屋内エアロゾル濃度、屋内外の差圧、温度・湿度・気圧などの気象データ、など)。その結果、例えば、建物内壁のラドン・トロン散逸率に対する温度・湿度の影響は、既報の実験室でのサンプル片による試験結果と概ね整合することがわかった。しかし同時に、壁の構造によっては、必ずしも実験室データが現場に適用できないこともわかった。現在、これら知見を論文にまとめており、次年度の投稿を予定している。今後は、各種モデルを用いた一連データの詳細な解析、およびデータ解釈に必要な実験室試験を行う。 また、屋内ラドンのリスク計算に必要なデータの取得と計算コードの作成を行い、いくつかの試算を進めた。今後は、妥当性を検証した後に本計算を行い、リスクの評価や認知に資するかたちでデータを取りまとめる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、モデルルーム内と周辺屋外における各種測定を継続して進め、問題なく完了し、測定結果の整理と検討を行った。また、ラドンのリスク計算についても着実に進展した。以上より、当初計画通りに進捗していることから、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、これまでに得られた一連の測定結果(空気中ラドン・子孫核種濃度、土壌・建材からのラドン散逸率、建材の表面温度・含水率、屋内エアロゾル濃度、屋内外の差圧、温度・湿度・気圧などの気象データ、など)を詳細にモデル解析して、知見の取りまとめを行う。並行して、データ解釈に必要な実験室試験を適宜実施する。また、ラドンのリスク認知に資するリスク計算を行い、公衆の放射線リスクの理解と専門家の役割についての考察も進める。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、当初計画していた出張旅費等の予算執行が一部できなかった。また、論文出版に係るオープンアクセス費を計上していたが、他からの助成を活用したため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、次年度分の研究費と合わせて、新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえたうえで出張に係る費用、測定や検討に必要な物品の購入費用等として使用する。
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Research Products
(2 results)