2023 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the relevance between fungal growth and mite population
Project/Area Number |
21K10427
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
渡辺 麻衣子 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 室長 (00432013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 泰 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (30243091)
伊澤 和輝 東京工業大学, 情報理工学院, 研究員 (50803813)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヒョウヒダニ / カビ / 酵母 / ハウスダスト |
Outline of Annual Research Achievements |
住環境中の真菌・ダニは、住宅室内外の物理的な要因や、居住者の清掃頻度等住まい方による要因等に影響を受け、増減すると考えられているが、加えて、互いの増殖に寄与し合っている可能性がある。そこで、実験室内での真菌とヒョウヒダニの共培養実験、および住環境から採取したハウスダスト中の真菌量・ダニアレルゲン量の分布調査を行い、住環境における真菌とダニの増殖関連性、および真菌やダニが増殖しやすい住環境要因についての検討を行った。 2021年度に実験室内での真菌とヒョウヒダニの共培養実験を実施し、ヒョウヒダニの真菌菌体への走性を真菌の種類ごとに確認した。真菌はカビ5種および酵母類2種を用いた。また、2022~2023年度の間に延べ20軒の住宅から寝室床ハウスダスト検体を得て、培養法による主な真菌分類群の濃度、次世代シーケンス法によるハウスダスト中の網羅的な真菌属の出現割合、およびELISA法によるハウスダスト1 gあたりのヒョウヒダニアレルゲンDer_1濃度、以上の以上の3項目のデータを実験的に取得した。居住者に対して住宅の工法や設備、住まい方に関するアンケート調査も実施した。これら数的データを用いてロジスティック回帰分析を行い、室内環境における真菌・ダニの増殖の関連性、およびそれぞれの増殖に関わる住宅に関連した因子の特定を行った。 これらの検討の結果、酵母類はカビと比較してヒョウヒダニに対して高い誘因効果を持つことが確認された。また、居住者の住まい方よりも住宅の性能や建材に関連した因子のほうが、真菌やダニの増殖への関連性が大きいことが示唆された。今回の回帰分析では、真菌各属の比率または真菌濃度と、Der_1濃度の間には有意な関連性は見られなかった。しかし真菌とヒョウヒダニの共培養実験から得られた傾向を実環境に当てはめることができる可能性を考慮し、今後検討を継続する必要がある。
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