2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of highly accurate solid-phase extraction methods to automate sample analysis in work environment measurement
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21K10428
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
井上 直子 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 環境計測研究グループ, 主任研究員 (90446584)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 芳香族アミン / o-トルイジン / LC/MS / 硫酸含浸フィルター / HILIC / C18 / 固相抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,作業環境測定試料分析において,分析作業者の化学物質のばく露リスク低減および化学分析の高精度化を実現するために,化学物質の抽出方法のなかでも自動化に適している固相抽出法に着目し,作業環境測定に適用できるように固相抽出法を高精度化した新規分析方法を提案する. 今年度は,研究計画 ① LC/MSによる分析(分離)条件の検討の,a.標準試料調製とモデル試料の作成および b.分析条件(LC/MS)の検討について行った. a.標準試料調製とモデル試料の作成については,特定化学物質として規制されているo-トルイジンをモデル化合物として用いて,作業環境測定で用いられている硫酸含浸フィルターへ,管理濃度の1/10の濃度(1 L/min×15分間捕集,5 mLで抽出を想定)に相当する量のo-トルイジンの標準溶液を添加し,添加回収条件を検討した.また,固相カートリッジに逆相固相のHLBを用いて,硫酸含浸フィルターから添加回収したo-トルイジンの試料溶液を添加し,固相抽出条件の検討を行った.その結果,硫酸含浸フィルターへの添加から一連の操作を行った時の回収率は82~84%であった. b.分析条件(LC/MS)の検討については,測定時間短縮のためコアシェルカラムを用いて条件検討を行った.o-トルイジンは極性が比較的高いため,一般的に用いられる逆相カラム(ODS)と親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)カラムについても分析条件の最適化を行い,検出感度の比較を行った.その結果,検出限界は,ODSカラムでは74.48 ng/mL,HILICカラムでは11.37 ng/mLであった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LC/MSの調子が悪く,今年度予定の研究計画①LC/MSによる分析(分離)条件の検討のうち,a.標準試料調製とモデル試料の作成の進捗に遅れがでたが,想定の範囲内であり,次年度計画とあわせて研究を行う.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,モデル試料作成方法および固相抽出条件の検討を行う.また,2年目実施予定の研究計画②固相抽出条件の検討(2種類の同位体を用いて,2段階で補正を行う方法の確立)についても実験を行う.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,1. 予定していた学会への参加をとりやめたため,2.物品の価格の変動によるものである.
次年度使用額 3,216円については,物品費(実験消耗品)として使用する.
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