2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of highly accurate solid-phase extraction methods to automate sample analysis in work environment measurement
Project/Area Number |
21K10428
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Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health,Japan |
Principal Investigator |
井上 直子 独立行政法人労働者健康安全機構労働安全衛生総合研究所, 環境計測研究グループ, 主任研究員 (90446584)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 芳香族アミン / o-トルイジン / 同位体 / サロゲート / 内標準物質 / LC/MS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,作業環境測定試料分析において,分析作業者の化学物質のばく露リスク低減および化学分析の高精度化を実現するために,化学物質の抽出方法のなかでも自動化に適している固相抽出法に着目し,作業環境測定に適用できるように固相抽出法を高精度化した新規分析方法を提案する. 今年度は,研究計画 ② 固相抽出条件の検討 a.モデル化合物及び同位体化合物の抽出条件の検討を引き続き行った.昨年度に行った,実試料の抽出過程で回収率が低い場合を想定した条件での測定において,同位体をサロゲートとして用いた場合,濃度領域によっては同濃度比の面積比(試料/サロゲート比)が変動する傾向が見られたため,さらに定量性への濃度の影響を明らかにするため,同濃度比の試料/サロゲートの試料溶液の濃度領域を変動させ,一定濃度の内部標準物質を添加し測定を行った.また,サロゲートおよび内標準物質には,o-トルイジンの同位体である,o-トルイジン-4,6-d2及びo-トルイジン-d3を用いた.o-トルイジン/o-トルイジン-4,6-d2:0075-1 μg/ml(各濃度比は1/1)およびo-トルイジン-d3:1 μg/mlを含む試料溶液をLC/MSで測定し作成した検量線は,o-トルイジン(y=1.061+0.018,r=0.998)およびo-トルイジン-4,6-d2(y=0.981+0.093, r=0.998)であり,検出感度は同程度であった.また,o-トルイジン/o-トルイジン-4,6-d2の濃度及び面積比を比較した結果,面積比は一定ではなく,減少する傾向が見られた.o-トルイジン-4,6-d2:1 μg/mlを含む,o-トルイジン/o-トルイジン-d3:0.0075-1 μg/ml(各濃度比は1/1)の試料溶液においても同様の結果であった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
LC/MSの調子が悪い等により,今年度の研究計画③ モデル試料の作成と固相抽出への適用,a.モデル試料の作成,b. a.の試料の固相抽出へ適用について,終了しなかったため,当初の計画(3年間)に対して,4年目への延長申請を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究計画は終了していないが,固相抽出法の高精度化を実現するために必要なある程度のデータが蓄積しており,研究期間を延長することにより,本研究課題が精緻に達成すると考えられるため,当初の計画(3年間)に対して,4年目への延長申請を行った.引き続き,研究計画を実施し,固相抽出法を高精度化した新規分析方法の提案を目指す.
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は,1.研究計画が遅れているため,実施していない計画による未使用分,2.予定していた学会への参加をとりやめたため,3.物品の価格の変動によるものである.次年度使用額 341,553円については,物品費(実験消耗品),学会参加費およびその旅費として使用する.
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