2021 Fiscal Year Research-status Report
家族歴・産科合併症既往を考慮した高血圧等の母児の予後の検討
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21K10438
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石黒 真美 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (10632242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
目時 弘仁 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (20580377)
小原 拓 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 准教授 (80612019)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 母子保健 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、全国規模の医療情報データベース及び三世代に渡る家族参加型の出生ゲノムコホート研究を用いて、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、妊娠中の脂質異常症の要因および母児の予後への影響を明らかにすることを目的としている。 2021年度は、東北メディカル・メガバンク計画三世代コホート調査のデータを基に、妊娠高血圧症候群の既往と産後約3年での血圧値との関連を検討した。共分散分析の結果、妊娠高血圧症候群既往のある女性は、既往のない女性に比べて、産後3年での血圧値が高かった。多変量ロジスティック回帰分析でも、妊娠高血圧症候群の既往は、産後3年での高血圧との関連も認めた(オッズ比5.67、95 %信頼区間4.34-7.41)。また、初産婦、経産婦で妊娠高血圧症候群既往なし、既往ありの3群にわけ、それぞれの群において直近の妊娠中の妊娠高血圧症候群を発症有無で産後の血圧値を比較したところ、いずれの群でも直近の妊娠中に妊娠高血圧症候群を発症した女性の方が産後3年での血圧値が高かった。しかしながら、過去に妊娠高血圧症候群の既往がある女性は、直近の妊娠中に妊娠高血圧症候群を発症しなかったとしても、既往のない経産婦と比較すると血圧値が高かったことから、妊娠高血圧症候群の発症回数に関わらず、妊娠高血圧症候群発症そのものが産後数年での血圧値や高血圧に影響する可能性が示唆された。 全国規模の医療情報データベースにおいても、構造の理解を深め、両親の高血圧有病状況と子どもの高血圧有病状況の関連について検討を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三世代コホート調査を基にした妊娠高血圧症候群の既往と産後の血圧値との関連について、学会で成果を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
血圧高値、耐糖能異常、脂質異常の単発型・併発型の背景要因の違いをクラスタリング等の手法を用いながら検討を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症蔓延のため、職場での移動制限や感染症への対応により研究活動に影響があった。次年度は可能な限り最新の研究動向を把握するための情報収集等で研究活動を推進する。
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