2021 Fiscal Year Research-status Report
労働現場における中軽症熱中症の要因と経路のパターン解明による特異的予防策の立案
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21K10449
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
各務 竹康 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20452550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 央奈 郡山女子大学, 家政学部, 准教授 (20835227)
日高 友郎 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (70644110)
遠藤 翔太 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90778309)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 熱中症 / 産業保健 / 塩分摂取 / 栄養摂取 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、労働者の栄養摂取、作業前後の因子について検討を行うため、双葉消防本部所属の消防職員を対象にパイロット研究として調査を行った。20歳以上の消防署所属の職員に研究参加の呼びかけを行い、28人から調査への協力が得られた。7月から9月にかけ、暑熱環境下でのトレーニング前後に調査票による調査を行った。聴取内容はトレーニング前後の体重、飲水量、塩分摂取量、熱中症の自覚症状、などである。消防職員は日常よりトレーニングを行っており、5月から暑熱環境を想定ての暑熱順化もトレーニングの一環として行っており、全員が暑熱順化が十分な者とみなすことができた。熱中症リスク、予防行動に与える栄養状態を調べるため、7月及び2月にBDHQによる栄養調査を行った。その他、作業日の気候についての情報を収集した。気候データは気象庁の計測地点が消防署に隣接していたため、気象庁の発表データを用いた。 調査期間内にのべ250作業日のデータが収集された。解析の結果、作業前の塩分摂取は、熱中症のリスク要因であることが示唆された。また、前日の飲酒も同様にリスク要因であった。BDHQの結果、普段の飲酒量が適正飲酒の水準を超えていることが明らかとなったため、多量飲酒がリスクであるとする過去の知見と一致した。7月の塩分摂取量も、平均が12.7gと、適切とされる塩分摂取量を大きく上回っていた。 本研究については学会発表を行い、今後は論文化を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
パイロット研究の状態ではあるが、熱中症の危険因子に関する新たな知見が得られた。今後もこの調査を継続することで、さらなる知見が得られ、熱中症の予防について、有益な知見が得られるものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
当面は現在のフィールドで研究を継続し、調査対象者、内容を増やすことでデータの厚みを増し、さらなる知見を得る。また、本研究について学会、論文等で発表を行う予定である。対象者は下記のBDHQの結果、摂取塩分量が多いことが明らかとなっている。この結果は夏季のものであるため、冬期の摂取塩分量も調べている。今後分析を行い、摂取塩分量の季節変動と熱中症リスクとの関連も明らかにしていきたい。
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Causes of Carryover |
論文化のための英文校正等について費用を計上していたが、年度内に執筆が完了せず、予算を次年度に繰り越すことになった。次年度に論文を作成し、使用する予定である。
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