2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔保健はフレイル予防の勘所となりえるか?-縦断疫学研究に基づく検討-
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21K10452
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
村上 任尚 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (70451606)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | フレイル / 歯科口腔保健 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、疫学研究の手法を用いて歯数の減少や歯周病といった口腔の健康と将来のフレイルとの関連を明らかにし、口腔保健指標から将来のフレイル発生を予測できるかを探るとともに、その関連メカニズムの一端を解明することを目的としている。研究対象は、岩手県花巻市大迫町で実施されている「健康づくりフロンティア事業(旧:家庭血圧測定事業)」に参加し各種検診を受診した地域一般住民のうち「岩手県花巻市大迫町における家庭血圧に基づく疫学研究」(通称:大迫研究)に参加同意が得られた者の集団である。 本年度は、新型コロナウイルス感染症対策のため県外スタッフの当該事業への参加が困難であったため、関連する検診は規模を大きく縮小する形で実施された。例年の測定項目のうち、家庭血圧測定、脳MRI検査、動脈硬化検査、および心電図測定など概ね基本的な検査は実施されたが、本研究に関わる歯科検診や歩行速度・握力といった運動能力検査、採血検査、認知機能検査は残念ながら見送られた。最終的に、本年度は205名の家庭血圧測定、および137名の脳MRI撮影等の検査が行われ、そのうち研究参加同意者に絞ったデータセット作成が進行中である。 一方で、花巻市および関係する他の研究機関とのオンラインミーティングが年間を通して定期的に開催され、次年度以降の感染対策も含めた事業実施方略の検討が行われた。本研究でサルコペニアの指標に用いる予定としていた血液検査項目の新規導入についてもあらためて確認するなどして研究推進に向けての体制を整えた。 また、新たに本研究で用いるデータの取得は出来なかったが、現在までのデータセット内の歯周病および血圧データを縦断解析に供すること(歯周病罹患歯の本数が4年後の家庭収縮期血圧と関連すること結果を得た)で、データ分布の確認や最終的な解析をおこなう上での課題を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究・解析用のパーソナルコンピューターを刷新し研究推進体制を整えるとともに、過去に得られた既存のデータセットを用いてデータ分布の確認や歯周病と家庭血圧の縦断解析などを行い本研究の遂行に必要な情報を得た。 一方で、新規調査項目の採用目途をつけることはできたものの、調査先自治体における新型コロナウイルス感染予防対策が想定より厳格であったため、予定していた調査の一部が実施できず、十分な情報を収集することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査先自治体および他の研究機関との連携を強め、感染対策に十分留意しながら大迫研究の継続調査を行う。次年度は採血検査、歯科検診等を含めた調査が可能な見込みであるため、新規導入する検査値を含む血液データ、歯科検診データ、運動能力データ、認知機能検査データ、およびその他交絡要因となりうる臨床データを追加収集する。 また、コロナ禍における歯科検診の実施状況を踏まえてタイミングを計りつつ検診項目の変更や追加も継続して検討していく予定である。併せて、大迫研究で蓄積されている保存血清・血漿の利用可能性も検討する。 既存データを用いた関連する解析についてもさらに順次進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症対策によって調査先の岩手県に県外スタッフがおもむいて調査に携わることが困難であったため、予定されていた旅費および人件費の支出がなかったこと、および本年度における事業の規模縮小により歯科検診が実施されなかったため、予定していた検査物品購入がなかったことで次年度使用額が生じた。 次年度には全面的にデータ収集が再開する見込みであり、その際に当該研究費を使用する。
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