2022 Fiscal Year Research-status Report
大規模調査による非アルコール性脂肪性肝疾患の病態とPAI-1との関連の解明
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21K10463
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
三上 健一郎 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (00375263)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は地域一般住民の大規模健康調査(岩城地区健康増進プロジェクト健診)から得られたデータを用いて行う研究である。そのためコロナウイルス感染の広がりによる社会状況が、研究全体に大きく影響してくる。前年度はコロナ禍の影響によりプロジェクト健診自体が中止となったため解析するデータが得られなかったが、当該年度では規模を縮小ではあるが開催することができ(参加人数:737人)、脂肪肝を含め健診データを得ることができた。これまでのプロジェクト健診においては、脂肪肝の判定を腹部超音波検査のBモードで行っており、定量性に乏しかったため、当該年度での脂肪肝の判定は、腹部超音波検査によるcontrolled attenuation parameter(CAP)で定量的に行なった。しかしながらコロナ禍の影響で、健診全体のデータが整理されて公開利用できるまでに時間を要した。そのため現在、当該年度の公開された健診データと脂肪肝の関係について解析作業を進めている状況である。 本研究はコホート研究であるが、先ずは当該年度のデータを横断的に解析している。具体的にはCAP値と血中plasminogen activator inhibitor-1濃度の相関関係を、交絡因子(年齢、性別、肥満、糖尿病、脂質異常症など)で調整して多変量解析を行う。また、肝硬度は非アルコール性脂肪性肝疾患の予後を規定する因子であるが、当該年度の健診ではフィブロスキャンによる肝硬度の測定もできており、非アルコール性脂肪性肝疾患の進行による肝線維化の定量的解析と、肝線維化と血中plasminogen activator inhibitor-1濃度の相関関係についても検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ禍の影響により、本研究の中心となる地域一般住民の健康調査のデータの集積・整理、公開が遅れたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度のデータを解析するとともに、コロナの感染状況が落ち着いてきていることから、新年度でも地域一般住民の大規模健康調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により健診参加者が減少し、参加者全員の血中plasminogen activator inhibitor-1 (PAI-1) 濃度の測定に必要な経費が少なくなったため。次年度の健診参加者の人数に応じて、経費を使用いたします。
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