2023 Fiscal Year Research-status Report
Social development during adolescence and disease risk in adulthood: a cohort study
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21K10487
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
細澤 麻里子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 研究員 (70646207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 淳志 公益財団法人東京都医学総合研究所, 社会健康医学研究センター, 社会健康医学研究センター長 (20510598)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | メンタルヘルス / 社会情緒発達 / 孤独感 / 思春期 / 性差 / 社会的要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大規模思春期コホートのデータを用いて思春期の社会情緒発達とその予測要因および成人期の予後との関連を明らかにすることを目的としている。今年度も引き続き20歳児調査を実施し新規データの取得を行いながら、既存データを用いた分析を実施した。思春期の社会情緒発達は社会環境の影響も受けていると考えられ、本年度はこの観点から研究を実施した。具体的には、国際機関が収集しているデータを用いて本邦を含む世界71か国における孤独感の過去20年間における時系列推移、性差および個人の社会経済状況によりこれらの推移が異なるかについて分析を行った。その結果、世界的に2012年以降孤独感が増加しており、特に高所得国の女子で増加していることが明らかとなった。また、社会経済状況が低い家庭の児は、高い家庭の児よりも孤独感が高く、この傾向は20年間一貫していた(投稿中)。これらの結果からは、思春期の孤独感が世界的な公衆衛生課題であること、また、高所得国の女子および社会経済状況が低い家庭の児に対する支援策が特に重要であることが明らかとなった。昨年度より実施しているコロナ禍が思春期のメタルヘルス(抑うつ症状等)に与えた影響を検討した研究を成果報告し、国内でも多数報道され、発達学的視点を取り入れた画期的な研究として掲載誌よりプレスリリースが行われ研究内容がポッドキャストとして配信された。いずれの研究も、今後の本邦および世界における思春期のメンタルヘルス対策を考える上で重要なエビデンスである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新規データの取得も順調に進んでいる。既存データを用いた分析も着実に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
収集した新規データを用いて、思春期の社会情緒発達と成人期の生活習慣病の関連について分析を実施していく。
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Causes of Carryover |
新規データを取得する調査対象が一部変更となったため。成果発表(学会発表や掲載費)として使用する予定。
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