2021 Fiscal Year Research-status Report
実効的な感染症流行リスクの予測マップ作成とその応用
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21K10502
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Research Institution | University of Nagasaki |
Principal Investigator |
竹内 昌平 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (80432988)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 実効再生産数 / NPIs / 新型コロナウイルス感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の大きな目的は、感染症の流行に対し、1)事前の感染症流行対策に活用できそうな社会的・地理的要因を探っていくこと、2)潜在的なリスクを可視化することを通し、「感染症対策を優先的に行う地域を決めることができるか?」といった問いに答え、有効な公衆衛生行政に結びつけることである。 今年度は、社会的・地理的要因となるデータを収集・整理すること、および特定の感染症について地域ごとの基本再生産数(R0)を推定することよりも、いくつかの地域において、感染症が実際にどのように流行しているかについて調べることを優先し、現在流行している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を用いた研究を行った。 感染者数の変化する速度を反映し、予防接種や公衆衛生学的な介入の効果を客観的に表す実効再生産数(Rt)と人の行動の関連に関する研究では、非常事態宣言下においても人の行動制限を緩めると流行が起こりうることを明らかにした。 NPIs(non-pharmaceutical intervention)と呼ばれる医薬品以外の公衆衛生的な対策についての数理的な研究では、その介入の強さや長さの重要性を明らかにした。 また、流行の指標としてのRtの利用に関する注意点の研究を行い、同じ推定方法を用いてRtを推定しても、地域ごとの人口規模に応じてRtのばらつきが大きく異なることを示した。 これらの研究は最終年度に予定されている行政に際し、参考にできるものであり、学会発表および関連論文として報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の流行により通常業務が逼迫したことなどが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
長崎県環境保健研究センターなどとのやり取りがスムーズになってきたので、データの収集・整理およびいくつかの感染症について、基本再生産数など流行の指標についての推定を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行による通常業務の逼迫で研究に少し遅れが出たこと、およびそのために本研究として実施可能な部分を選択的に実施したことで次年度使用額が発生した。アルバイトの雇用が昨年度分と合わせて行うことができればうまく使用していけると考えている。
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Research Products
(3 results)