2021 Fiscal Year Research-status Report
在宅勤務者のための睡眠・精神的健康増進プログラム開発とその有効性に関する疫学研究
Project/Area Number |
21K10507
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松本 悠貴 日本大学, 医学部, 助教 (60647783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兼板 佳孝 日本大学, 医学部, 教授 (40366571)
井谷 修 日本大学, 医学部, 准教授 (70624162)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 在宅勤務 / テレワーク / 睡眠 / メンタルヘルス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における令和3年度の主要な研究活動は、在宅勤務者の睡眠・健康増進プログラム開発のための要因分析のベースラインとなる疫学調査の実施であった。我々は約3,000人の調査対象者を確保し、予定通りに疫学調査を実施することができた。統計解析の結果としては、大きく分けて三つの主要な知見が得られた。一つ目は、在宅勤務の頻度と心理的ストレス反応の強さで分けて不眠症状や労働意欲、労働生産性について比較した際、それぞれが最適となる在宅勤務の頻度が心理的ストレス反応の強さによって異なることが明らかとなった。二つ目は、在宅勤務の頻度と電子端末の使用時間の長さで分けて睡眠時間・就寝時刻・起床時刻を比較したところ、いずれも在宅勤務の頻度が多いほど睡眠時間は長くなるものの、電子端末の使用時間が短い者は就寝時刻を早くすることで睡眠時間を多く確保していた一方で、電子端末の使用時間が長い者は起床時刻を遅らせることで睡眠時間を多く確保していたことが明らかとなった。三つ目は、在宅勤務時の方が出社時よりも睡眠時間が短くなっている者は、そうでない者と比べて精神的健康度が不良であるリスクが高いことが明らかとなった。これらの知見について報告している先行研究はなく、今後在宅勤務が普及していくにあたり、最適な在宅勤務の頻度等を推奨するための重要なエビデンスとなるといえる。また、令和4年度に予定しているフォローアップ調査のためのベースラインとなる調査で十分な人数を確保することが出来たことは、エビデンス力の高い縦断研究を行ううえでも非常に意義が高いといえる。さらに、令和5年度以降に予定している在宅勤務社の睡眠・健康増進プログラムを開発していくうえでの重要な情報を得ることが出来たといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の令和3年度~4年度にかけて縦断調査を予定している。令和3年度はその基盤となるベースライン調査の実施であったが、このベースライン調査でどれだけの参加者(調査対象者)を確保できるかによって令和4年度の解析対象データの数も左右される。本研究では、ベースライン調査の時点で予測していたよりも多くの参加者(調査対象者)を得ることが出来たため、当初の計画以上に進展していると判断した。さらに、令和5年度以降に予定している健康増進プログラムの開発について、興味を持ち開発の協力に前向きに検討してくださる企業が現時点で複数得られたことも、当初の計画以上に進展していると判断した理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、まず令和4年度はフォローアップ調査の実施を予定している。令和3年度に協力をいただいた企業については、いずれも令和4年度の調査の実施についても内諾を得られている。従って、予定通りフォローアップ調査は実施可能の見込みである。また、令和5年度以降の健康増進プログラムの開発について、学会への参加や文献の収集等を行い、プログラムの内容の具体化のための情報を収集する。そのうえで、より具体的な提案ができるような形を作成し、各協力希望者へ提案し、実現が可能な企業へ協力を要請してプログラム開発の実現へ推進していく。
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Causes of Carryover |
情報の収集のために参加した学会が年度末の開催であったため、当該学会の旅費・参加費の経費執行が次年度となった。ついては当該経費として次年度執行する。
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Research Products
(2 results)