2021 Fiscal Year Research-status Report
Orbitrap LC-MS/MSを用いた薬毒物スクリーニングとメタボローム解析
Project/Area Number |
21K10514
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
奥田 勝博 旭川医科大学, 医学部, 助教 (00389115)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Orbitrap LC-MS/MS / ミックスモードカラム / 薬毒物スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
電場型フーリエ変換質量分析計(Orbitrap LC-MS/MS)を使用した薬物スクリーニングメソッドの開発に取り組んだ。まず、逆相分配 (RP) および親水性相互作用 (HILIC) の2つの機能をもつカラムを利用することで、RPモードではこれまでのODS系カラムと同等の分離、HILICモードではこれまで極性が高すぎて保持できなかった高極性化合物の保持・分離条件を確立した。通常のRPモードでのグラジエント分析に必要な平衡化時間をHILICモードの分離に使い、カラムの付替えをせずに2つの溶出時間が得られるメソッドを開発した。
フルスキャン分析で得られたデータを照らし合わせて化合物名をリストアップするのに利用するデータベースは、サーモサイエンティフィック社オリジナルのマススペクトルライブラリ(約19,000化合物)の他に6種のオンラインデータベース(Cayman Chemical、DrugBank、Human Metaborome Database、KEGG、TCI、Toxin,Toxin-Target Database)、さらに講座独自のデータベースとして、上記分析条件で得られた2種類の分離モードによる溶出時間と実際のMSスペクトルを組み込むことで、より精度の高い定性分析ができるように工夫した。実際の試料および法医関連物質の標準物質を分析しながら、データベースの拡充に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、新規導入のカラムを使用した条件検討は完了し、実際に分析しながらの検討に移行できている。本分析条件については、日本法中毒学会第40年会にて発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
実試料の分析および標準物質のスペクトル登録を適宜行いながら、データベースの拡充を続け、より精度の高いスクリーニング分析へと仕上げていくことが最重要と考えて取り組んでいく。その後、メタボローム解析に向けて、糖や有機酸、アミノ酸、脂肪酸などの低分子化合物。可能であればペプチドまで範囲を広げた内在性化合物の解析準備を始める。
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