2022 Fiscal Year Research-status Report
Verification of personal identification means by biochemical, morphological and image analysis using teeth
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21K10517
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 久子 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (10292674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峰岸 沙希 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00882820)
櫻田 宏一 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10334228)
森谷 透 山形大学, 理学部, 助手 (40732392)
吉田 真衣子 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (70317139)
門叶 冬樹 山形大学, 理学部, 教授 (80323161)
武山 美麗 山形大学, 理学部, 技術専門職員 (80822668)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 放射性炭素 / 歯 / エナメル質 / 象牙質 / CT画像 / ラセミ化 / エックス線画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の身元不明遺体数は年間約1,000体であり、現在約20,000体が身元不明のままであり、日本の身元判明率は他の先進国に比べて低いという現状をかかえている。また、2011年3月11日に発生した東日本大震災では、2023年4月24日時点では約@人が死亡、@人が行方不明である。従って、我々は、これまでに、ヒトの歯の各種成分による生化学的解析、すなわち、エナメル質を用いた放射性炭素濃度による出生年推定、象牙質を用いたラセミ化率による死亡時年齢推定、全歯質を用いたDNA型解析などを行ってきた。 令和3年度から令和4年度にかけては、法医解剖事例から採取した下顎第一小臼歯を用いて、全歯冠部もしくはエナメル質の放射性炭素濃度を用いた出生年推定結果の比較検討を行った。その結果、下顎第一小臼歯においては、全歯冠部の放射性炭素濃度を用いた出生年推定における有用性が判明したので、現在、法医学関連の国際誌に論文投稿しているところである。 本研究では、ヒトの歯を用いた生化学的解析とともに、歯や顎骨の形態学的特徴、エックス線画像解析及びCT画像解析などと関連させ、多角的視点から、身元不明遺体における個人識別につながる情報を統合し、また、それらの情報の共有化と活用方法についてそれぞれの専門家とともに検証していきたいと考えている。今後は、加齢に伴う歯槽骨の退縮程度や歯髄腔の狭窄程度、上下顎骨内の過剰歯や埋伏歯など個人に特有な画像特徴を抽出し、身元不明遺体の歯から得られた生化学的、形態学的及び画像解析の結果全てを統合し、個人識別につながる情報として、これらの手段をどのように活用すべきかを多職種の専門家らで検証していきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
法医解剖事例から採取した下顎第一小臼歯14本を用いて、全歯冠部もしくはエナメル質の放射性炭素濃度を用いた出生年推定結果の比較検討を行ったところ、下顎第一小臼歯においては、全歯冠部の放射性炭素濃度を用いた出生年推定における有用性が判明した。全歯冠部を使用する場合粉砕する操作のみであり、エナメル質のみを使用する場合に比べて、エナメル質単離の労力と時間が必要ないため、全歯冠部の利用は非常に有用であると思われる。今後は、放射性炭素測定に全歯冠部を用いる場合に必要なコラーゲン抽出方法に関しての検討を実施したいと考えている。 現時点では生化学的な方法のみの実験が中心であり、歯や顎骨の形態学的特徴、エックス線画像及びCT画像などの解析が進んでいないため、個人識別指標の統合的な解析が進んでおらず、現時点での進捗状況はやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトの歯を用いて、エナメル質及び全歯冠部を用いた放射性炭素測定による出生年推定、象牙質を用いたラセミ化測定による死亡時年齢推定、安定同位体による居住地推定、全歯質を用いたミトコンドリアDNA及びY染色体DNAのハプログループによるDNA型解析、個人識別キットを用いたSTR型解析といった生化学的研究に加えて、口腔内領域のエックス線画像及びCT画像解析を用いて、加齢に伴う歯槽骨の退縮程度や歯髄腔の狭窄程度、上下顎骨内の過剰歯や埋伏歯などの形態学的特徴に基づく指標を統合して解析して予定である。 現在は、生化学的解析を先行して行っているが、次年度以降は画像解析にも取り組み、さまざまな解析方法を統合した年齢推定方法を報告したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度は放射性炭素測定の研究のみであったため、次年度使用が生じることとなった。次年度は最終年度であり、ラセミ化測定及びDNA型解析に必要な試薬類、さらに、画像解析に必要な消耗品等も購入予定である。また、研究成果の学会発表、論文投稿に必要な校正費用、掲載費用なども必要であると考えている。
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