2023 Fiscal Year Research-status Report
miRNA発現パターンと病理所見に基づく機械学習による冠動脈硬化症のクラスター化
Project/Area Number |
21K10533
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鉄 堅 日本大学, 医学部, 講師 (40277439)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 貴久 日本大学, 医学部, 教授 (20620305)
内ヶ崎 西作 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (30223548)
高成 広起 徳島大学, ポストLEDフォトニクス研究所, 准教授 (70723253)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | MicroRNA / TaqMan Assay / SNPs / CAD / 法医学解剖 / 遺伝的多様性 / 日本人集団 |
Outline of Annual Research Achievements |
本学で行った司法解剖の遺体の心臓血または末梢血液を採取し試料とした。解剖症例は男性81名、女性70名で、平均年齢は65.79歳であった。血液から血漿と血球を分離し、検査まで-80℃フリーザーで保存した。左冠動脈主動脈、左前下行枝、回旋枝、右冠動脈をそれぞれ、病理切片を染色し、ImageJソフトウェアを使用して、冠動脈狭窄を顕微鏡で評価した。閉塞率が10%以上のグループを冠動脈狭窄群(CAD群)、10%未満のグループをCAD群とした。TaqMan Assay法のよりmicroRNAマーカーの発現量、精製したゲノムDNAからTaqMan SNP Assay法によりSNPジ=ノタイビングを分析した。 前年度のmiR-143(rs41291957)とmiR-146a (rs2910164 G>A)に引き続き、本年度はmiR-31およびmiR-584の結合部位の3'UTRに位置するアンジオテンシノーゲン(AGT)遺伝子(rs7079)およびmiR-2861と関連するメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)rs915014多型とヒトCADリスクの漸進的評価により、CAD診断としてのこれら2つのmiR-SNPの有用性を調査した。 +11525C/A (rs7079)多型は、AGT遺伝子の3'UTR側、2つの異なるmiR-31とmiR-584の結合部位の間に位置している。これら2つのmiRNAは、rs7079多型のCバリアントに対しては完全に相補的な結合を示す。さらに、MTHFRは、循環ホモシステインの代謝における重要な酵素である。研究では、MTHFR rs915014遺伝子型とrs915014がアテローム性動脈硬化のリスク増加と関連している可能性が示唆されている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
miR-143(rs41291957)とmiR-146a (rs2910164 G>A)はCADグループと非CADグループ(対照グループ)を比較してrs41291957遺伝子座では有意差が認められ、SNPアリルによりCADとの関連性が示唆された。引き続き、miR-31およびmiR-584の結合部位の3'UTRに位置するアンジオテンシノーゲン(AGT)遺伝子(rs7079)およびmiR-2861と関連するメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)rs915014多型とヒトCADリスクの漸進的評価を調査した。rs7079多型は、AGT遺伝子の3'UTR側、2つの異なるmiR-31とmiR-584の結合部位の間に位置している。これら2つのmiRNAは、rs7079多型のCバリアントに対しては完全に相補的な結合を示した。SNPアリルとCADの関連性が示唆されたが、MTHFRは、循環ホモシステインの代謝における重要な酵素である。本研究では、日本人におけるMTHFR rs915014遺伝子型とrs915014がアテローム性動脈硬化のリスク増加と関連している可能性が示されていなかった。 以上によって予定通りにmiRNAの発現量やその関係するSNPと関連性が明らかにした。これから研究結果を論文にして投稿するために20万円の繰越金を使用する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究の主な実験が終了して結果の総括の段階に入ると考えている。日本人におけるこれらのデータの統計やソフトにより結果の解析及びmiR-SNPとCADの関連性の作業に入り、まとめた。 最終的にmiRNAとCADの国際会議に発表、また論文をまとめ、国際専門誌に投稿する予定である。
|
Causes of Carryover |
翌年度予定している論文掲載料は高額になることを見込んで、令和5年度の支出について既存の消耗品を使用するなどの経費節約を行った。 令和5年度の未使用金は研究結果をまとめ、国際専門雑誌に投稿する予定であるため、論文掲載料として翌年度分の助成金と合わせて使用する予定である。
|