2022 Fiscal Year Research-status Report
法医解剖における若年性心臓性突然死に対する新たな診断指標の確立
Project/Area Number |
21K10536
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐藤 貴子 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10530420)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 若年性突然死 / 遺伝性不整脈 / メタボローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、次世代シークエンサーを用いた遺伝子変異検索および質量分析によるメタボローム解析技術を用いて、肉眼解剖および病理組織検査で異常を認めず、死因は原因不明の致死性不整脈によると診断された若年性突然死例の遺伝的素因と血清等の代謝物変動の解析を行う事によってその関係性を検討し、若年性心臓性突然死に対する新たな法医学的診断指標の確立を目的としている。2021年度は次世代シークエンサーの疾患パネルを用いて、66の遺伝性不整脈関連遺伝子に対して、遺伝的素因についての検討が行われた。2022年度については、それら既解析の若年性心臓性突然死例群に対して、年齢、性別、死後経過時間、死因等を考慮したコントロールとすべき事例の選定作業、およびヒト試料(血清)についてのGC-MS/MSおよびLC-MS/MSにおけるメタボローム分析条件等の検討を行う予定であった。年齢、性別、死後経過時間、死因等を考慮したコントロールとすべき事例の選定作業は少しずつ進みつつあるが、対象者が若年者であるために、法医解剖例においては、コントロールとなる事例の蓄積が更に必要である。また、本年度は、解剖実務や司法機関への捜査協力、教育などの研究外の業務量の増大によって、ヒト試料(血清)についてのGC-MS/MSおよびLC-MS/MSにおけるメタボローム分析条件検討作業等が遅れており、2023年度に引き続き同作業を継続、進展させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解剖実務や司法機関への捜査協力、教育などの研究外の業務量の増大によって、分析条件検討等が予定よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、年齢、性別、死後経過時間、死因等を考慮したコントロールとすべき事例の選定作業、およびヒト試料(血清)についてのGC-MS/MSおよびLC-MS/MSにおけるメタボローム分析条件等の検討を行い、本サンプルのデータ取得を目指す。ただし、場合によっては分析専門会社への相談・利用も考慮する。
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Causes of Carryover |
解剖実務や司法機関への捜査協力、教育などの研究外の業務量の増大によって、分析条件検討が予定よりもやや遅れており、使用物品が予定よりも少なかった事、および学会等に伴う旅費等の費用が不要であったことが原因と考えられる。次年度使用額と令和5年度請求助成金については、メタボローム解析を行うための消耗品費(カラムや溶媒等の薬品類)への使用を予定している。また場合によっては、一部は分析会社への相談・利用に使用することになると考えられる。
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