2022 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育課程における臨床判断力の育成に向けた教育的アプローチに関する基礎研究
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21K10547
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
熊谷 たまき 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (10195836)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樫本 直樹 産業医科大学, 医学部, 講師 (20622533)
土師 俊子 (服部俊子) 大阪公立大学, 大学院都市経営研究科, 准教授 (50609112)
安部 彰 三重県立看護大学, 看護学部, 准教授 (60516847)
藤村 一美 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (80415504)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 臨床判断 / 臨床推論 / 看護基礎教育 / 文献研究 / 調査研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、看護学生が看護基礎教育を通して修得することが求められる臨床判断力とは、また多様に理解されている「臨床判断」の定義とは、という2つの研究の問いを立てた。この問いに対して、看護系大学の看護基礎教育課程における臨床判断力の捉え方を知ることと、文献研究から社会的・歴史的文脈を踏まえて臨床判断力の定義をみることを本研究の目的としている。 昨年度と同様に本年度も新型コロナウイルスの感染拡大の状況下にあったため会議は対面ではなくすべてオンラインで実施した。文献研究においては臨床判断・臨床推論に関する理論的・実践的研究や看護過程の導入の歴史的背景等について、文献調査を継続して行なった。国内外の看護教育や看護実践に関する研究において用いられている臨床判断・臨床推論の定義や、看護過程におけるこれらの位置付けや関係などについて検討を重ねた。基礎教育で求められる臨床判断力や臨床推論力については批判的思考力や状況認識などの視点からも意見を交換し、現状と検討を要する課題の明確化を共有した。この議論を踏まえて、看護基礎教育課程における臨床判断に関する教育の実態調査を進めた。 調査実施にかかる研究倫理審査申請手続きにやや時間を要したが、研究実施の承認が得られインタビュー調査に取り掛かることができた。なお、インタビュー調査では臨床判断・臨床推論・看護診断に対する認識や考え、看護過程を用いた教育指導における臨床判断の位置付けなどについてインタビューを行なっている。次年度は調査を継続し、同時に文献研究を進め、関連する学術集会等でここまでの検討を一つの成果として報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に引き続き会議をオンラインで開催し、臨床判断・臨床推論に関する理論的・実践的研究や看護過程の導入の歴史的背景等についての文献調査に関しては、研究メンバー間で意見交換し検討を重ねた。文献研究は順調に進んでいる。文献研究の検討内容を踏まえて、実施する目的を明確にした上で、課題とそのアプローチ方法の適切性から、現状を把握するためにはインタビュー調査先行して実施する方針に変更することにした。ついては、インタビュー調査内容の設定と調査対象者の選定を話し合い、調査実施にあたり倫理審査申請手続きをとり、インタビュー調査をスタートした。予想していた以上にインタビュー調査の協力を得ることは難しい状況にあるが、本研究の意義を丁寧に伝えて調査に協力いただけるよう対象者へのリクルートに努める。インタビュー調査実施後は研究計画どおりに質問紙調査に取り組む予定である。研究の進捗としては今年度もやや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に今年度も定期的に会議を開催し、研究メンバー間で研究課題の検討や情報交換を行なって研究を遂行する。次年度は現時点で遅れているインタビュー調査を引き続き実施することに先ずは注力する。研究に関する成果報告について次年度は、これまで議論を重ねてきた歴史的・政策的・実践的研究に関する文献調査の検討内容ならびにインタビュー調査で得た結果を関連する学術集会で発表し、本研究課題の取り組みに対する意見を得ることやインタビュー調査の実施と並行し、インタビュー調査から得られたデータを解析して研究メンバー間で議論を重ね、成果として学術集会に発表する計画とする。
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Causes of Carryover |
本年度の未使用額は会議の開催をオンラインで実施し、参加を予定した学術集会もオンライン開催になったため、当初予定していた旅費などの予算執行を変更したことによって生じた。また、倫理申請手続きにより面接調査の実施開始が遅れたことにより調査にかかる必要の支出が予定した費用を必要としなかったことによる。次年度はインタビュー調査を継続して行う予定であり、これまでの成果を学術集会で報告する計画である。また実施した調査の分析と検討を行うために対面で会議を開催する予定であり、これらの予算をあてる計画である。
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