2022 Fiscal Year Research-status Report
看護基礎教育における看護倫理と看護過程を統合した実践的、縦断的教育アプローチ
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21K10555
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Research Institution | The Japanese Red Cross Akita College of Nursing |
Principal Investigator |
酒井 志保 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 准教授 (80299784)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 看護基礎教育 / 看護倫理 / 看護過程 / 実践的アプローチ / ガイドブック作成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、5年で主となる3件の研究(研究①、研究②、研究③とする)ですすめている。 2021年(令和3年)度~2022年(令和4年)度に、研究②『一病院における実習指導者への看護倫理および看護過程のインタビュー調査』を実施した。「研究の目的」は、臨地実習指導者のとらえる実習での看護倫理および看護過程の実際を把握することである。研究②は概ね「研究実施計画」の通りに進められた。臨地実習指導者8名を対象に実習での看護倫理および看護過程の実際を半構成的インタビュー調査をした。データをKH Coderを使用して共起ネットワーク、対応分析を作図してクラスターを確認して、テキストマイニングにより分析したものである。研究②は受理されており、今年度9月に北日本看護学会誌に掲載予定である。 また、2022年(令和4年)度は本プロジェクトに関連する文献検討を行い、第6回日中韓看護学会で『Consideration of the relationship between Nursing Process and Nursing Ethics : A Review in Japanese books』と題してポスター発表した。看護過程の過去5年の成書9冊の看護倫理に関しての記述を検討した。看護過程に“自律”を明記した成書は9冊中2冊で、そのうち1冊に詳細な記述があった。また、看護のインフォームド・コンセントの内容と思われるものが1冊あった。“自律”以外の記述で看護倫理に関する内容では“個人情報の取り扱い”に関する記述が4冊に詳細に記載されていた。他には態度に関する記載があった。看護過程と看護倫理の関係が明確でない成書が多く、看護倫理を踏まえた記載がもっと必要であると思われた。看護基礎教育で学生に看護過程の指導をする場合、看護倫理を意識した資料作成や指導の配慮が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究①「実習指導に関わる看護教員の質問紙調査」では全国の看護教員に対して、臨地実習での看護倫理について質問紙調査を実施する予定である。2022年度から改正カリキュラムとなる看護教育機関が多いことを踏まえ、アンケート調査の時期を2023年度に修正した。そのため、当初の計画より遅れている。 研究③「看護倫理を基盤とした看護過程の教育的効果」は看護学生3学年を対象に行う。2年次の実習終了時にアンケート調査を行うものであるが、2022年(令和4年)12月に1回目の調査を行った。実習等の関係で、回答率は70%と当初の予定より少なめではあったが実施できた。今後、2023年、2024年に同様のアンケート調査を実施する予定である。研究③は当初の予定よりも調査時期を早めたため、進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度~2024年度は、研究①「実習指導に関わる看護教員の質問紙調査」を実施する。今年度12月までにアンケート調査を全国の看護基礎教育機関の教員に行う予定である。 研究①の結果と研究②、文献研究の結果をふまえて、看護倫理を基盤とした看護過程ガイドブックを作成して、2024年度の授業から活用できるようにする予定である。
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Causes of Carryover |
本研究は3つの研究から成る。そのなかの研究①「実習指導に関わる看護教員の質問紙調査」は、当初、R4(2022)年度に研究する予定だった。しかし、カリキュラム改正のタイミングと研究内容を考慮して、R5(2023)年度に調査するように時期を調整した。そのため、研究①の研究費用として次年度使用する。
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