2021 Fiscal Year Research-status Report
看護教員が教育経験を省察しながら育つ「教えることを学ぶ」プログラムの開発と検証
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21K10556
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Research Institution | Fukuoka International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大池 美也子 福岡国際医療福祉大学, 看護学部, 教授 (80284579)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 看護教員 / 教育経験 / 省察 / プログラム開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護教員の教育経験の省察を通して、「教えることを学ぶ」プログラムを開発し検証することである。看護教育は高等教育化を辿り、2021年度の看護系大学数は290校に増加し、看護系大学の増加は、看護教員としてのアイデンティティの低さや教育指導の資質や能力に関する問題が報告されている。 本研究では、知識伝達型の看護教員育成ではなく、教育における変革といわれるリアリステイック・アプローチによるALACTモデル(Action, Looking back on the action, Awareness of essential aspects, Creating alternative methods of action, Trial)とオニオンモデルを採用する。ALACTモデルを通して、看護教員は、自己の教育経験を深く探求し、教育実践を通して「教えることを学ぶ」ことができる。また、オニオンモデルの視点は、教育指導に対する看護教員の信念や価値の解明になる。 本研究は、第1次研究(聞き取り調査・プログラムの開発)と第2次研究(プログラムの検証)にて行う。第1次研究では、看護系大学に所属する看護教員を対象に教育経験に関する聞き取り調査を行い、プログラムの構造化を図る。雪だるま方式により対象者(看護系大学に所属している看護教員)30名に聞き取り調査を行う。調査結果は、オニオンモデルの視点からプログラム構造の特徴として解明する。 2021年度は第1次研究であり、倫理審査委員会にて承諾を得ることができ、現在インタビューを進めている。また、学校教育に関わる書籍によりALACTモデルの基盤となるリフレクション研修会における企画運営の資料を得た。これによって、インタビューの分析と第2次研究の研修会へと発展できることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度倫理審査委員会開催の日程調整が困難であったため、申請に時間を要することとなった。また、コロナ感染拡大により、大学内の教育活動・職域接種などに関わることが必要となったため、倫理審査委員会への申請書作成に関わる時間がとれず、研究遂行が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
倫理審査委員会にて承認を得ることができたため、今後は雪だるま方式によりインタビューのデータを収集する予定である。近隣看護系大学教員へ依頼を進めており、インタビュー数の確保を図っている。テープ起こしなどについては、確実な個人情報保護に基づいた企業などに依頼するとともに、研究を進めていくこととする。また、第2次研究の研修会企画では、『教員のためのリフレクション・ワークブック』とDVDを入手することができた。この書籍とDVDにより、プログラムの基盤となるリフレクションの構造化を図ることができると考える。2022年度は、プログラムの構造を含めて検討していくこととする。
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Causes of Carryover |
2021年度はインタビューを進め、テープ起こしなどに計上する予定であった。研究遂行が遅れており、次年度使用額は、2022年度に実施するインタビューのテープ起こしに使用する。30名のインタビュー者で90分を予定している。テープ起こしに要する費用として、30名×15000円として450000円を見込んでいる。また、本プログラムの構造化を図るために、参考となるDVDを購入できた。DVDは教員のリフレクションを進める内容であり、その内容とともに、学校教育にかかわるリフレクションを幅広く蓄積し整理していくための保存機器を購入する予定である。
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