2022 Fiscal Year Research-status Report
Development and Evaluation of a Mindfulness-Based Self-Management System of Psychological State for Nursing Students
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21K10566
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Research Institution | Hyogo University |
Principal Investigator |
藤後 栄一 兵庫大学, 看護学部, 講師 (70772432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 由子 (松本由子) 兵庫県立大学, 情報科学研究科, 教授 (80331693)
石垣 恭子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20253619)
高見 美樹 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (10335565)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | マインドフルネス呼吸法 / 脈波 / 脳波 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護学生の情動負荷に対して、マインドフルネス呼吸法と情報技術の活用した心理支援の影響を評価する。評価によって、情動と集中力の変化を可視化することである。 令和3(2021)年度、予備実験として、大学生を対象にマインドフルネス呼吸法の影響を脳波と指尖容積脈波で評価し、成果を学会に1件発表、論文2編がアクセプトしている。 令和4(2022)年度、予備実験として、大学生を対象にマインドフルネス呼吸法の影響を指尖容積脈波で評価し、成果を学会に1件発表、論文1編がアクセプトしている。論文の掲載は、2023年5月以降を予定している。令和4(2022)年度の成果内容は、看護学生20名をランダムに振り分け、マインドフルネス実施群10名とマインドフルネス非実施群10名の脈波を評価した。脈波から算出したアトラクタを視覚的に評価し、両群間の安静閉眼・暗算課題時の最大リアプノフ指数を比較した。結果、実験10日目のアトラクタの形状は、マインドフルネス実施群は変化が少ないのに対し、マインドフルネス非実施群は変化が複雑であった。マインドフルネス実施群の最大リアプノフ指数は1.7以下で推移し、マインドフルネス非実施群と比較し有意に低値を示した。この結果から、実験10日目のMi群のマインドフルネス実践後に交感神経系が抑制されたことが示唆された。カオス解析を用いた信号処理によりマインドフルネス呼吸法の特徴を評価できる可能性があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3(2021)から令和4(2022)年度の研究として、臨床実習における自己管理を支援するアプリケーションの開発を計画している。現在、Microsoft Accessを用いて、タブレット端末に入力できるアプリケーションの試作品を開発している。今後、スマートフォンにインストールできるアプリケーションの開発を検討している。 本研究では、令和4(2022)年度からマインドフルネスを用いた看護学生の生産性の評価、マインドフルネスを活用した自己管理が自律神経機能に与える影響の評価を行うことを計画している。情動負荷は、汎用のプログラミング言語Pythonを用いてランダムに作成された2桁の数字の暗算課題を行う。暗算課題のプログラムは完成している。 令和3(2021)度に測定機器を購入し、研究者自身でプレテストを実施している。現在、所属大学での倫理審査を終えており、研究計画書にそって、大学生の情動負荷に対して、マインドフルネスを活用した心理支援を実施し、大学生の情動への影響、自律神経機能と脳への影響、課題遂行量を測定、評価している。また、胸に装着可能なウェアラブルデバイスを活用し、日々の HF・LF/HF、加速度脈波を測定している。ウェアラブルデバイスに関しても、事前に研究者自身でプレテストを実施して実験を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策として、令和5(2023)年度も令和4(2022)年度と同様に、マインドフルネスを用いた看護学生の生産性の評価と脳・自律神経機能に与える影響の評価を実施していく予定である。 現在、14名の実験が終了しているが、被験者が実験の解析に必要な人数に達していない。引き継ぎ、被験者の学生を無作為に2群(アプリを使用するマインドフルネス実施群と使用しない対照実験のマインドフルネス非実施 群)に分けて実験する予定である。実験では、情動負荷状態における、看護学生の自律神経機能への影響について呼吸、心拍数・HF・LF/HF、加速度脈波を用いて抽出する予定である。
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Causes of Carryover |
当該助成金が生じた状況の理由の1つ目として、新型コロナウイルス感染によって、実験の被験者が集めるのに時間を要した。当該助成金を生じた2つ目の理由として、新型コロナウイルス感染予防に努めて実験を実施している。感染対策として、被験者の密を避けるため、研究に関する物品の購入を1セットのみとしたことで、実験に時間を要した。 今年度の使用計画として、実験を効率よく進めていくため、実験に関する物品をもう1セット購入し、論文投稿の準備を実施していく。
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