安全で質の高い医療に貢献する看護師間情報伝達・共有に必要なコアスキルの探求

2022 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K10567
• Research Institution: Hyogo Medical University
• Principal Investigator: 三谷 理恵 兵庫医科大学, 看護学部, 講師 (70437440)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 石井 豊恵 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00452433) ; 井上 文彰 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (40779914) ; 伊藤 朗子 千里金蘭大学, 看護学部, 准教授 (60454667) ; 大野 学 神戸大学, 保健学研究科, 保健学研究員 (10858278) ; 上田 記子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (40757217)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: 看護師間情報伝達・共有過程 / 情報引き継ぎスキル

Outline of Annual Research Achievements

本研究課題は、医療機関において日々実践されている看護師間の患者情報の情報伝達・共有過程において、初心者と熟練者のスキルの差異を検証し、安全で質の高い医療に貢献するために看護師に求められるコアとなるスキルを明らかにすることを目的とし、①仮想フィールド下で看護師の熟達度に応じた情報伝達・共有スキルの差異の検証を行うこと、②情報伝達・共有スキルがどのように現実の医療現場で活用されているかを検証することを計画している。2022年度は海外における引き継ぎ時のスキル評価ツール及び具体的な患者情報の引き継ぎスキル検証方法に関する文献検討を継続し行った。海外では複数のハンドオフツールや評価指標が提示されているが国内での活用例は少なく、教育への活用事例も乏しい状況が明らかとなった。また、先行文献で得られた知見と実際の看護師経験を有する共同研究者間において第1段階調査である仮想フィールド下での検証のための具体的なシナリオの作成と検証方法を検討した。看護師が患者の情報を伝達・共有する場面には、勤務交代時の引き継ぎ、病棟間で患者が移動する際の引き継ぎ、他施設への引き継ぎなど多様な場面が存在している。本研究課題では、勤務交代場面に焦点をあて看護学生、若手看護師、熟練看護師の看護情報の引き継ぎスキルの特徴を検証していくこととした。これらの検討を踏まえ、所属施設の倫理審査委員会への申請を進め2023年4月に承認を得ており、模擬ケースを活用した検証を進めていく予定である。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

今年度末に実際の調査を開始予定であったが、前年度の課題点である評価指標および看護情報の引き継ぎスキルの差異の検証方法の検討および倫理委員会の承認申請に時間を要した。2023年4月に倫理委員会の承認が得られており、次年度は看護師間の情報共有引継ぎスキルの検証を開始していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

対象となる看護学生は4年生であり各大学のカリキュラムに応じて負担がなく且つスキルの検証に適切な時期に調査を開始できるよう調整を進める。同様に、医療機関においても看護師の検証を進めていけるよう、調整を進めていく予定である。また、次年度のデータ解析をスムーズに進めるため、データ化作業を進めていくために研究補助者等を確保し、速やかにデータ化、分析を実施できる体制を整える予定である。

Causes of Carryover

今年度は調査研究を進める予定であったが、倫理委員会の承認を得るまでに想定以上に期間を要し調査を開始は困難であった。そのため対象者への謝金，データ化を進めるための人件費は未使用である。また調査に必要な機器の購入等についても次年度に繰り越し予算執行予定のため、次年度使用額が生じている。2023年度は調査開始にあたり研究対象者への謝金、調査データ化および研究を推進するため人件費等に活用する。また調査に必要な機器の購入に使用予定である。