2021 Fiscal Year Research-status Report
看護系単科大学における学生の異文化感受性を高める国際看護学教育プログラムの検討
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21K10580
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
丸山 加菜 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教 (10835797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 紀子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 准教授 (30550925)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際看護教育 / 異文化感受性 / 看護系単科大学 / オンライン交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護系単科大学の学生の異文化感受性を向上させるため、日本国内で実施できる国際看護教育プログラムを検討することである。 2021年度は、A看護系単科大学で開催されたオンライン国際交流の参加学生を対象とし、調査を実施した。交流前後の異文化感受性の変化について、Intercultural Sensitivity Scale(以下ISS)を用いた無記名自記式質問紙調査を実施し、加えて、交流により学生の異文化や看護に対する考え・気持ちに、どのよう影響をもたらしたのか、インタビュー調査を実施した。 質問紙調査によるISSの交流前後比較では、合計の平均点と3カテゴリーで僅かに平均値が上昇したが、有意な差はなかった。対象者ごとの前後比較では、交流後に得点が上昇した人数が多いカテゴリーは「Interaction Engagement」と「Interaction Confidence」であった。ISSについて、本研究の対象者は交流前から先行研究の日本人看護学生の平均値よりも高く、今回の対象者は、自ら交流参加を希望しており、もともと異文化感受性が高かったことが推察された。インタビュー調査では、対象者は、交流によって不安な気持ちが楽しさや嬉しさへ大きく変化し、【ポジティブな心理的変化】が生じていた。ISSの「Interaction Confidence」が上昇している対象者が多かったことからも、交流により自信を失うことなく達成感が得られ、チャレンジ精神の出現や学習意欲の向上といった心理的側面への影響が大きかったことが示唆された。異文化理解や看護観の深まりについては、気づきの段階にとどまり、語学力の向上は殆ど見られなかった。 今回の調査で、オンラインによる国際交流に一定の効果があることが確認できたため、今後の調査およびプログラムの検討に繋げていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
オンライン国際交流に参加した学生の、質問紙およびインタビュー調査を実施できた。交流によるISSの変化や対象者への影響について確認できたため、今後の調査やプログラム検討の際の資料となった。しかし、当初予定していた複数の看護系単科大学の学生へのISS測定調査は、実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年に実施した、学生に対する質問紙調査とインタビュー調査の結果を、学会発表および論文投稿できるよう準備する。また、当初予定していた複数の看護系単科大学における看護学生の異文化感受性の特徴について明らかにするため、質問紙調査を実施する。
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Causes of Carryover |
前年度の調査については、所有している機材で実施した。 当初予定していた調査を、次年度に実施することとなったため、前年度の予算を次年度に使用することとした。
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