2021 Fiscal Year Research-status Report
看護職のフォロワーシップ評価尺度の開発:信頼性と妥当性の検討
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21K10600
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤波 景子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 特任助教 (20882963)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | フォロワーシップ / 看護職 / フォロワーシップ評価尺度 / 尺度開発 / リーダーシップ |
Outline of Annual Research Achievements |
医療の現場において、組織の目標達成のためにはリーダーシップを発揮できる管理者の存 在が必要だが、実際に目標を達成させるためには組織の大多数を占めるフォロワーの存在が 不可欠である。組織の目標を達成し、医療の質を向上させるためにも、フォロワーによる協働者としてのフォロワーシップが重要であり、効果的なフォロワーシップの育成・教育のためにはそれを適切な指標で評価する必要がある。 リーダーに対し、批判と貢献を使い分けて効果を出そうとする「協働者」と呼ばれるタイプのフォロワーが多いほど、組織のパフォーマンスがあがるとされており、そのため、「協働者」としてのフォロワーシップを測定することを目的に「看護職のフォロワーシップ評価尺度(Followership Evaluation Tool for Nurses:FET-N)」の開発を試みた。FET-Nは、全13項目4因子(「批判的思想に基づく積極的関与(6項目)」、「管理者の方針を同僚スタッフに浸透させる行動(3項目)」、「管理者の役割への理解(2項目)」、「変革への前向きな態度(2項目)」)で構成され、13項目全体での信頼性と妥当性は確認された(現在国際誌へ投稿中)。一方、この13項目よりなる尺度には、2項目で構成される因子が2つあり、内的一貫性に改善の余地が残っている。そこで、これら2因子を構成する項目数を増やすことによって尺度に修正を加えるため、国内外のフォロワーシップに関する最新の動向と合わせ新たな項目作成のための文献検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尺度に修正を加えるため、国内外のフォロワーシップに関する最新の動向と合わせ新たな項目作成のための文献検討を進めているが、COVID-19による別業務等など重なったため、具体的な項目選定には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
フォロワーシップの定義上、組織風土や文化的背景が関連することが考えられ、国内の動向についてより深く検討する必要はあるが、組織の目標を達成するための個の姿勢をより明確にしていくために、国内にとどまらず広く国外の文献もレビューを継続し、今後は、FET-Nの改善だけでなくフォロワーシップの概念をさらに確かなものにするために質的な検討方法もあわせて検討する。
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Causes of Carryover |
クラウドサービスや英文校正のメンバーサポートの会費を年度内に使用予定で計上していたが、年度初めの契約とすべきサービスであったため次年度の使用に繰り越しとした
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