2022 Fiscal Year Research-status Report
安楽なポジショニングケアの開発:圧抜き方法のエビデンスの検証
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21K10628
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
佐藤 祐貴子 大分大学, 医学部, 講師 (60635366)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ポジショニング / 圧抜き介入 / 安楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、圧取り除きグローブを用いた圧抜き方法の違いによる姿勢のくずれや安楽性を明らかにすることである。準実験研究デザインで4群(a.片側×片腕、b.片側×両腕、c.両側×片腕、d.両側×両腕)に割りつけを行い姿勢および安楽性の解析を行う。 本年度は、30度背上げ時について両側群6名、片側群6名について、b.片側×両腕、d.両側×両腕の検証を行った。測定内容は、VAS、身体症状の訴え、体圧、接地面積、小型9軸ワイヤレスモーションセンサを用いたアライメントのずれを測定した。主観的評価であるVASは有意な差を認めなかった。身体症状の訴えについては、局所への痛みの訴えは、片側群・両側群ともに同様に同等に認めた。片側群は、「息苦しさ」という痛みとは異なる苦痛の訴えがあり、両側群は「楽だ」というポジティブな回答が特徴的であった。客観的評価である体圧、接地面積についても有意な差はなかった。一方で、アライメントについては、水平方向(p<0.01)、垂直方向(p<0.05)において有意に差があり、両側群が安定していた。 今回の結果では、アライメントのくずれと主観的な安楽性は相応した結果とならなかった。体位の安楽性は、時間的な要素を含むことが考えられ、このアライメントの崩れが持続した場合の検証は必要である。今回は、30度背上げについて検証したが、そのほかの背上げ角度による検証は行えていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度に実験測定機器を検討したことにより、実験開始が遅れたことが影響している。また、業務により実験時間を確保する時間が限定され、予定の計画通りに進行することが困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、アライメント測定機器の検討を行い、実験環境は整えられている。予定している背上げ角度について、引き続き実験を進める。
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Causes of Carryover |
学会がWeb参加となったことにより旅費が発生しなかったこと、被験者数が予定よりも現段階では十分到達していないこと、ならびに実験補助者の人材が確保できず、翌年度使用額が生じた。次年度は、被験者数に応じた消耗品等や、実験補助者の人件費に充て、より研究を推進できるように使用する。
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