2023 Fiscal Year Research-status Report
医療従事者の職業感染防止行動に関する組織風土尺度の開発
Project/Area Number |
21K10651
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
網中 眞由美 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 准教授 (30384150)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 医療従事者 / 職業感染 / 組織風土 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療従事者は職務上、肝炎などの血液媒介病原体、結核、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症など飛沫や空気を媒介とする感染症への感染リスクはある。こうした医療従事者の職業感染リスクの低減は、安全な医療を提供する上で重要な課題である。これらの感染症から医療従事者を職業上の感染から守ることは、医療を途切れることなく継続していく上で重要である。医療従事者の職業感染防止行動の促進には、職員教育や個人防護具等の物品配備とともに「組織風土」を醸成することが有効と考えられる。本研究は、医療従事者の職業感染防止行動に関わる「組織風土」を可視化する組織風土尺度の開発することを目的としている。 2023年度は、2022年度までに行った網羅的文献検討により得た職業感染防止に影響を与える組織風土要因に関する示唆をもとに検討を行うとともに、病棟看護師、看護管理者へのインタビューにより、日本の医療施設の特徴や日本人特有の「組織風土」に関する情報収集を行った。さらに、感染管理認定看護師および労働安全衛生の関する専門家へのインタビューを行った。今後は、これらをもとに医療従事者の職業感染防止行動に関わる「組織風土」尺度を完成させる予定である。本研究で開発する職業感染防止行動に関わる「組織風土」を可視化する組織風土尺度により、医療従事者の職業感染リスク低減につながる組織的な方策が検討可能となり、医療従事者を感染症から守ることに貢献することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症は法改正により5類感染症に変更となったが、流行が持続したため、調査対象となる医療現場の負担が大きく調査依頼が困難であった。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の臨床現場への影響がなくなった訳ではないが、臨床の状況が落ち着いてきているため、調査を実施し計画を進める。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れており計画通りの支出に至らなかったため、次年度使用額が生じた。2024年度は研究計画の遅れを取りもどし、予備調査、本調査等にかかる支出を予定している。
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