2022 Fiscal Year Research-status Report
オノマトペと日常生活動作を用いた糖尿病患者のしびれ評価尺度の開発と指標の明確化
Project/Area Number |
21K10654
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
赤松 公子 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (40346664)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | しびれ / 評価 / 日常生活動作 / オノマトペ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、看護に役立つフィジカルアセスメントの指標となる糖尿病患者のためのしびれ評価尺度を開発することであった。 近年、糖尿病患者の増加に伴い、糖尿病の合併症である末梢神経障害も増加している。佐藤ら(2007)の15000人を対象とした調査では、糖尿病患者の末梢神経障害の発言頻度を30~40%とし、竹本ら(2013)も外来患者122人を対象とした調査で、しびれなどの何らかの感覚異常を自覚した患者は糖尿病患者の半数に上ることを明らかにしている。しびれのある患者の生活の不自由さを明らかにした研究(赤澤、2001)や、しびれのある患者に対するケア効果を明らかにした研究(登喜ら、2014)などがあるが、しびれという言葉で一括りにされている感覚を、詳細に分類できれば、患者に提供したケアを適切に評価できると考える。 当該年度は、18名の糖尿病患者の同意をえて調査を行うことができた。質問項目はオノマトペ(擬音語・擬態語)と日常生活動作を用いた項目で構成した。調査はA病院に入院中の糖尿病患者を対象としたオノマトペと日常生活動作で構成した質問項目と知覚検査であった。コロナ禍での調査であったため、遅々とした進展であったが、昨年までの32名のデータを分析し、日常生活動作とオノマトペを用いた糖尿病患者のしびれ評価尺度開発のための予備的研究と題して、第27回日本糖尿病教育・看護学会学術集会にて公表することができた。 令和5年3月末時点で50名の糖尿病患者の調査を終えることができ、知覚と日常生活動作、オノマトペとの統計学的な関係をもとに、看護研究者1名、糖尿病内科学の医師2名の協力を得て、数回のしびれ評価項目の検討会議を開催することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウィルス感染拡大の影響もあり、患者の同意が得られにくい状況であった。調査施設の拡大には至らなかったが、令和5年3月末時点で50名の糖尿病患者の調査を終えることができた。昨年度に行った32名のデータ分析結果と比較して安定した結果となった。その結果を、看護研究者1名、糖尿病内科学の医師2名と議論することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
看護研究者1名、糖尿病内科学の医師2名との議論をもとにデータの再分析を行う。再分析の結果をもとに研究協力者と議論を続ける。次年度内の論文投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染拡大の影響でオンラインでの学会参加となったため、学会参加にかかる旅費の執行を行わなかった。次年度は成果発表や情報収集のための学会参加を積極的に行う。 データの再分析に必要な統計ソフトの整備、研究協力者との会議費に充てる。
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