2021 Fiscal Year Research-status Report
認知症高齢者と家族の看護に関するICTを活用した倫理教育教材の開発と効果の検証
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21K10660
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
岩崎 涼子 富山県立大学, 看護学部, 助教 (80846155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 恵里 富山県立大学, 看護学部, 教授 (20307656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症 / 高齢者看護 / 看護倫理 / 教育 / ICT |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、認知症高齢者と家族の看護に関するICT(Information and Communication Technology)を活用した看護学生向けの倫理教育教材を開発し、教育効果を検証することを目的とする。 令和3年度は、認知症高齢者の看護において抱いた困難や倫理的問題を明らかにするために、「認知症」「高齢者看護」「倫理」「ジレンマ」「困難」「教育」をキーワードに、医学中央雑誌を用いた文献検索を行った。原著論文に限定し、論文内容が公開されている文献は18件であり、これはすべて2008年以降に発表された論文であった。 その記述内容を分析した結果、看護師や看護学生が認知症高齢者に抱いた困難な内容は、【通常と違う看護への戸惑い】、【学生にとって意味のわからない言動に困惑する】、【お互いの意思が通じない】、【認知症高齢者の意思表示に圧倒される】であった。また、看護師や看護学生が倫理的問題だと感じた場面は、【対象に必要な説明の不足】、【その人のニーズに合わない援助】、【患者に気兼ねを生じさせる看護師の対応】、【安全を理由にした拘束】、【人として尊重されない対応】、【認知症の方への少ない意思決定の機会】であった。 並行している研究活動スタート支援「看護系大学における認知症高齢者の看護に関する倫理教育の実態把握と教育内容の検討」(COVID-19の影響により、研究期間を延長)で実施した、国公立の看護系大学ホームページに公開されているWEBシラバス記載内容の分析により得られた認知症高齢者の看護倫理に関する教育内容を、本研究の医学中央雑誌を用いた文献検索結果と合わせ、看護基礎教育における認知症高齢者の倫理教育で必要となる教育内容を抽出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、研究活動スタート支援(研究期間の延長中)によりミニマム・エッセンシャルズのコンセンサスが得られた、看護基礎教育における認知症高齢者に関する倫理教育内容を本研究の教材開発に活用する予定であったが、COVID-19の影響により全体的に遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
①研究活動スタート支援(研究期間の延長中)による研究成果と、本研究により令和3年度に実施した文献検討の結果を基に学修目標・内容を抽出し、学修プログラムを設計する。 ②①の設計に基づき、コンピュータ教材を作成していく。認知症高齢者とその家族の看護に関する倫理的課題を含む様々な場面を再現したビデオ撮影およびイラスト作成を行い、倫理的行動に関する学修内容を組み入れた教材を作成していく。 ③看護学生を対象にパイロットスタディを行い、結果に基づき教材を改良していく。 ④③による検証後に必要箇所は修正を加え、Web版へと改良していく。
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Causes of Carryover |
学修プログラムを設計した後にコンピュータ教材作成を計画していたが、研究の遅れにより令和4年度に持ち越した。令和4年度中には、デジタルカメラや教材開発専用のコンピュータ等を購入し、教材作成に取り掛かる予定である。
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