2021 Fiscal Year Research-status Report
精神看護学実習を補完可能にする教材開発と大学間で共有利用するシステムの検討
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21K10678
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Research Institution | Fukuoka jogakuin Nursing College |
Principal Investigator |
岩崎 優子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (80812502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 不二子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (20326482)
白石 裕子 福岡国際医療福祉大学, 看護学部, 教授 (50321253)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神看護学実習 / 看護学生 / 学び / 教材化 |
Outline of Annual Research Achievements |
看護基礎教育の重要な学習形態である実習は、COVID-19のパンデミックにより実施困難な状態に陥った。このような中、VR教材などの新たなテクノロジーの導入など教育技法の転換が模索されている。本研究では、精神看護学実習を補完可能にする教材の開発と開発した教材を大学間で共通利用するシステムの検討を目的としている。 2021年度は第1段階として、従来の精神疾患患者を受け持つ実習により学生が何を学んでいるのかを明らかにすることを目的として文献研究を行った。国内文献77、国外文献38が抽出されたが、精神疾患患者を受け持ち実習を展開しているもの、学びの対象が看護大学生であるものなどを条件として文献を絞り込み、最終7文献を対象とした。その結果235コードから内容の類似性に沿ってカテゴリ化し、7コアカテゴリを抽出し構造化した。学生の学びは精神疾患患者との体験に基づくものと、精神看護の実践されている臨床の場に学生が参加することによって生じる学びに大別された。精神疾患患者との体験に基づく学びでは、体験の共有とその内省によって、自己理解と患者理解が促進され、援助方法であるコミュニケーション技術が磨かれる構造を呈した。また、患者理解ではサイコ・バイオ・ソーシャルの視点とともに患者の強みをとらえることの重要性が再認識された。この結果とCOVID-19のパンデミックにより学内実習を行った学生の学びを明らかにしている文献と、精神看護学の演習にシミュレーション演習を取り入れた学びを明らかにしている文献、精神看護学実習で学生が直面する困難感を明らかにしている先行研究の結果を踏まえて、教材化する内容や方法について示唆を得た。この結果については第32回日本精神保健看護学会学術集会で「文献レビューによる精神疾患患者を受け持ち実習を行った看護大学生の学びの構造」として発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は教材開発のためのベースライン調査を実施することであった。調査票作成のための文献検討の結果、調査研究から文献研究に方法は変更したが、教材化する内容については示唆を得たため、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は開発教材の効果を測定するための評価視点と評価尺度の決定を行う。評価視点の内容を含めシナリオを作成し、模擬患者を用いて映像化する。研究者および協力者の視点から教材の内容の確認し、必要時修正を行い教材を完成させる。その後、従来通りの精神看護学実習を行った学生を対象に教材の使用を促し、評価尺度を使用して調査を行う予定である。 しかし、新型コロナウイルスの感染状況が高止まりしている状況において、従来通りの精神看護学実習が実施できるかが不安定であり、このことで従来通りの実習体験をした学生からの調査が予定通りできるかが懸念される。
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Causes of Carryover |
当初予定していた調査研究の分析に使用する予定で統計ソフトの購入を予定していたが、文献研究に切り替えたため統計ソフト購入費用が不要になったこと、学会に参加し情報収集をする予定であったがオンライン開催となり予定していた旅費が不要になったこと、翻訳ソフトを購入し英語論文の翻訳を行う予定からアルバイト雇用による翻訳に切り替えたことが要因である。 今年度は教材開発の予定であり、状況に応じて複数回の撮影等も必要になるためその費用とする。また、研究分担者の変更が生じており、CNSなどの有識者を研究協力者として開発教材の精度を確保したいためそれらに必要な経費として使用する。
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Research Products
(1 results)