2022 Fiscal Year Research-status Report
精神看護学実習を補完可能にする教材開発と大学間で共有利用するシステムの検討
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21K10678
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Research Institution | Junshin Gakuen University |
Principal Investigator |
岩崎 優子 純真学園大学, 看護学科, 准教授 (80812502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 不二子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (20326482) [Withdrawn]
白石 裕子 福岡国際医療福祉大学, 看護学部, 教授 (50321253)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 精神看護学実習 / 看護学生 / 学び / 教材化 / 精神障害者 / 共感 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、これまで精神看護学で用いられた教材が、2021年度に文献研究によって抽出された精神疾患患者を受け持つ実習における学生の学びである7コアカテゴリのどの部分を学ぶ教材であるかを検討した。29文献において開発された30教材は、①映像教材②文書教材③体験型教材に大別され、コミュニケーション技術と対象理解に介入するものが多かったことが明らかになった。 精神疾患患者を受け持つ実習における学びの7コアカテゴリの構造において、[体験の共有と内省による患者理解と自己理解の促進]は他の学びにも影響を与える重要な学びであった。また[患者の強みを活かしたセルフケア能力を高める継続的な援助]は、精神障害者への看護において最も重要な学びであるが、これらの学びが得られる教材は少ないことが明らかとなり、この部分を学ぶ教材の必要性が示唆された。この結果については文献研究としてまとめ、現在投稿を行い査読結果を待っている状態である。 また[体験の共有と内省による患者理解と自己理解の促進]が、他の学びにも影響を与える学びであること、先行研究上、精神障害者への看護学生が示す共感の未熟性が指摘されている。これらをふまえ、開発予定教材は看護学生の精神障害者への共感性を高めるものとし、評価には精神障害者への共感性を測定することとした。共感性の育成に関する先行研究の状況を踏まえて、測定尺度と教材の内容を検討している。使用尺度については、心理学・教育学・看護学において広く使用されているものと、医療系学生の患者への共感性を測定できる尺度についても入手し、検討している段階である。VR教材についての研修会に参加し、教材作成時の陥りやすい傾向等についても学習した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属機関を変更したため業務を優先とした。また、COVID‐19の影響を受け臨地実習が学内実習に変更となったため、教育的負担が増しエフォートの確保ができなかったことが遅れの主な要因である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、教材化する内容を決定してシナリオを作成し映像化して教材を完成させる予定である。共感性を育む要素については示唆を得ているため、その要素をどのように教材化するかというところを十分に吟味して進める。複数の精神看護の実践経験と教育経験を有する大学教員とディスカッションをくり返しながらシナリオ作成を行う予定であり、ディスカッションが行える状況は整っている。 教材作成後は、精神看護学実習前の学生と従来通りの精神看護学実習を行った学生を対象として、調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
所属機関の変更とCOVID-19の影響により業務量の増加に伴いエフォートが確保できず、研究が遅れている。そのため予定していた教材開発まで進まなかったため、教材開発に使用する予定の費用がそのままとなったこと、学会参加ができず学会参加費や旅費を使用しなかったことなどが要因である。 2023年度は、教材開発の予定であるため、その費用として使用する。また、教材開発後の調査費用としても使用する予定である。
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