2023 Fiscal Year Research-status Report
心不全患者の「身体に根差した知性」に着目した身体経験に基づくセルフケア支援の開発
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21K10683
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
正垣 淳子 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (80725987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮脇 郁子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (80209957)
福田 敦子 神戸大学, 保健学研究科, 講師 (80294239)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 心不全 / 症状マネジメント / 症状体験 / 身体的経験 / セルフマネジメント / 看護支援 / 多職種協働 / 協働設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心不全患者のセルフケア能力向上のために、患者の身体経験に基づいたセルフケア支援方法を開発し、その評価を行うことである。具体的には、心不全患者のセルフケア能力向上のために、1)心不全急性増悪による緊急入院から退院後の生活(およそ半年間)における身体経験を調査する。2)1)の分析結果とこれまでに作成した「慢性心不全患者の症状体験に働きかけ、セルフモニタリングを強化する看護支援」および文献を基に、『心不全患者の身体経験に基づいたセルフケア支援方法』を作成し、3)2施設の循環器病棟と外来で試行して、セルフモニタリングおよびセルフケア能力、退院後2年間の再入院率を評価する。 2023年度は、『心不全患者の身体経験に基づいたセルフケア支援方法』の開発のために、2022年度に実施した「心不全急性増悪による緊急入院から退院後の生活における身体経験」の分析を進めるとともに、2022年度に開始した、「心不全患者の身体経験と多職種セルフケア支援の実態」調査を継続しつつ、分析を進めた。これらの調査と文献検討の結果、効果的で持続可能な『慢性心不全患者の症状体験に働きかけ、セルフモニタリングを強化する看護支援』を開発するには、医療者と患者の経験や関心の溝を埋め、使いやすいデザインの支援を作成するために、協働設計(Co-Design)を活用することが効果的であると考えられた。(協働設計(Co-Design)とは、支援の開発過程で、研究者やデザイナーだけではなく、ユーザーと協力して教育や支援を作成することである。)そこで、2023年度後半は、心不全患者、看護師、医師、協働設計(Co-Design)およびオンライン支援の専門家、心不全症状マネジメントおよびセルフケアの専門家による、協働設計(Co-Design)による、『心不全患者の身体経験に基づいたセルフケア支援』開発の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年4月1日より2022年3月31日まで産前産後・育児休業を取得したため、1年間研究活動を中断し、2022年4月1日より研究活動を開始した。 また、当初予定していた、調査結果および文献を基にした支援の開発では、効果的で持続可能な支援を作成することは難しいと考えられたため、開発過程に協働設計(Co-Design:支援の開発過程で、研究者やデザイナーだけではなく、ユーザーである患者や看護師と協力して支援を作成すること)を用いる方法に変更した。その準備と実施のために、当初の予定より進行が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は、心不全患者のセルフケア能力向上のために、患者の身体経験に基づいたセルフケア支援方法を開発し、その評価を行うことを目的としている。 2024年度は、2022年4月~2023年3月に行った、心不全患者の急性増悪による入院から退院後の生活における身体経験の調査と、現在調査中である、「心不全患者の身体経験と多職種セルフケア支援の実態」について調査を活用して、『慢性心不全患者の症状体験に働きかけ、セルフモニタリングを強化する看護支援』を開発する予定である。 開発する支援が、効果的で持続可能なものであるために、当初予定していた、調査結果と文献検討から支援を作成するのではなく、協働設計(Co-Design)を用いて、効果的で持続可能な『慢性心不全患者の症状体験に働きかけ、セルフモニタリングを強化する看護支援』を作成する予定である。具体的には、心不全患者、看護師、医師、およびオンライン支援の専門家、心不全症状マネジメントおよびセルフケアの専門家によるチームを作成し、協力して支援を開発する。 また、2025年4月~2026年3月に、急性期病院2施設において、従来の退院支援群、および、作成したセルフケア支援群のセルフケア能力の比較試験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、人件費が想定していた金額を下回ったためである。次年度使用額は、引き続き、人件費として使用予定である。
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