2023 Fiscal Year Research-status Report
外来における関節リウマチ患者の口腔内環境の実態および介入効果の多角的検討
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21K10685
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
浜崎 美和 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (70815935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 江美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (20363426)
堀川 新二 活水女子大学, 看護学部, 講師 (20714827)
折口 智樹 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90295105)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔ケア / 関節リウマチ / 歯周病 / 口腔内環境 / 看護学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節リウマチ患者の歯周病罹患率は一般集団と比べて高く,口腔ケアが重要である.関節リウマチ看護に関するテキスト等において,感染予防指導などと同じように口腔ケアについての項目はあるが,内容は一般的で実際に実施できているかは不明である.口腔ケアを実施するに当たり,歯周病にならない為の道具の選定や口腔内環境に着目することは重要である. 関節リウマチ患者は外来での治療が主となるため,口腔内環境を調査するに当たり,侵襲がなく簡便かつ短時間で調査できることが必要となる.そこで,簡易唾液検査装置「SillHa」を用いて,健常人である看護学生36名と歯科衛生学生31名を対象に,口腔内環境と口腔ケアに関するセルフケア習慣を明らかにすることを目的に調査を実施した.唾液検査の測定値(中央値(四分位範囲))が最も高かったのは,歯茎の健康(白血球) で看護学生61(46.3-67.0),歯科衛生学生61(41-65)だった.口腔内環境は,2群間に統計学的有意差は認めなかった.口腔ケアに関するセルフケア習慣は,歯磨きの回数や歯磨きに要する時間,間食の有無,口腔関連QOLは2群間に統計学的有意差は認めなかった.フ ッ素入り歯磨き剤(p<0.001)と口腔ケアで使用する道具のフロス(p=0.002)は,歯科衛生学生が有意に多く使用していた. 本研究における口腔内環境では,看護学生と歯科衛生学生ともに成人期の基準値に比べてむし歯菌は低いものの緩衝度が低く歯茎の健康(白血球)が高いことから,虫歯よりも歯周病リスクが高いことが考えられた.その原因として,唾液分泌の低下や不適切なブラッシングや歯磨きのし過ぎなどから口腔内損傷を起こしていることが考えられた. 今後は、セルフケア習慣以外にも歯ぐきの健康リスクに関する要因を調査に組み込むこと、対象者を関節リウマチ患者や膠原病患者として調査していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、COVID-19の影響から関節リウマチ患者を対象とした調査に踏み切ることができなかったため、対象者を健常人として実施した。 これまでの調査結果を基に調査内容を検討した上で、現在、膠原病患者を対象に調査を開始している。
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Strategy for Future Research Activity |
対象者を看護学生や歯科衛生学生としていた調査結果、調査内容を基に研究計画書を見直し、現在は膠原病患者を対象に外来における調査を開始している。 今後は、調査で得られたデータを解析し、学会発表や論文投稿の準備を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は、これまでに購入した機器を使用した調査を実施するとともに、研究計画書の見直しを行った。現在調査を開始し、今後は国際学会での発表を予定している。また、論文投稿に向けた準備を進めている。
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