2023 Fiscal Year Research-status Report
乳がん・婦人科がん術後リンパ浮腫治療に用いる弾性着衣装着方法の検証とモデル構築
Project/Area Number |
21K10687
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
城丸 瑞恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90300053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙石 泰仁 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10248669)
伊藤 武彦 和光大学, 現代人間学部, 名誉教授 (60176344)
木村 恵美子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教 (60849438)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 乳がん / 婦人科がん / 手術 / リンパ浮腫 / 弾性着衣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、今後も増加が予測されるリンパ浮腫患者の苦痛・負担を軽減するために、乳がん・婦人科がん術後にリンパ浮腫を発症した患者と多職種チームの連携・協働によって弾性着衣の効果的な装着方法の検証とモデルの構築を行うことを目的としている。 2023年度は、乳がん・婦人科がんの手術後にリンパ浮腫を発症した対象に調査を実施し、分析に必要なサンプルサイズ各70名程度から回答を得た。自由回答をみると乳がん・婦人科がんの対象が感じる苦痛・負担の共通性と特異性がみられた。共通する回答として「着用のわずらわしさ」「弾性着衣の費用が高い」「あわない弾性着衣は苦痛」などであった。乳がん手術後に弾性着衣を使用した対象は「着用時、腕のつけねの部分がまくれる」「グローブをつけて炊事ができないため、必ず外す」「半袖の時も羽織りものを着用する」などが特徴的な回答であった。婦人科がん手術後に弾性着衣を使用した対象は「歩く仕事なので弾性着衣が下がってきて直すのが大変」「大腿に加圧するストッキングが販売されていなくて残念」「足首にくいこんで痛い」などの回答があった。自由回答で得た乳がん・婦人科がんの対象に共通でみられる「着用のわずわらしさ」を改善するためには、疾患・手術部位による個別の着用時の課題の解決が必要であり、その方向性について多職種で検討している。また、調査では、手指の痛みの程度、日常生活への影響について択一式で回答を得ており、2023年度はその分析を実施して、公表準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年度に、患者に対する質問紙調査を計画していたが、COVID-19 の影響で、対象病院に患者紹介など調査協力を依頼することが難しかった。COVID-19の状況をみながら2022年度から2023年度に調査を実施して、2023年度に終了した。2023年度は調査結果の分析を行い、遅れていた課題の達成に向けて準備を進めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は6月末までに質問紙調査の分析結果について共同研究者間で共有し、弾性着衣の装着モデルを構築する。9月~10月に研究協力者にモデルを提示して実際に装着してもらい、意見を得てモデルの修正を行い終了とする。また、最終年度となるため、報告書の作成および学会発表・論文にて成果を発表する。
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Causes of Carryover |
2023年度は、研究対象者に我々が考案した弾性着衣装着モデルを実際に装着してもらい、その適切性について意見収集の予定であった。また、その結果を報告書にまとめ公表を計画していた。しかし、COVID-19の影響で研究計画が遅れたため、2023年度に使用予定であった謝金・旅費などは次年度に繰り越したいと考えている。2023年度の研究の実施状況からみて、2024年度は適正に使用できると判断している。
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