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2022 Fiscal Year Research-status Report

生きづらさからの回復を支える-ナルコレプシー患者のための看護支援モデルの開発-

Research Project

Project/Area Number 21K10690
Research InstitutionSaitama Prefectural University

Principal Investigator

金 さやか  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (50736585)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 常盤 文枝  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00291740)
根岸 貴子  東京家政大学, 健康科学部, 教授 (40709250)
富田 文子  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (80847939)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywordsナルコレプシー / 看護 / 過眠症 / 生きづらさ / 当事者
Outline of Annual Research Achievements

ナルコレプシーは小児期から青年期に好発し、個人差はあるものの情動脱力発作や入眠時幻覚や中途覚醒といった様々な症状が生じる。社会的な場面においての居眠りが対人関係構築にも影響をおよぼすことがこれまで指摘されているが、患者にどのような生きづらさがあり、そこからの回復がどのようなものであるかは明らかになっていない。また、米国では患者支援の方針が示されているものの、日本では過眠症患者の体制は確立していない。そこで、本研究は日中の過度の眠気を主症状とするナルコレプシー患者の生きづらさからの回復を支援するための看護支援を具体的に提案することを目的とした。2022年度はこれまでに行った質問紙調査の再分析を行い、患者の生きづらさと回復とはどのようなことなのかを検討した。
質問紙調査の自由記述データ(ナルコレプシーである人生をどのようにとらえているか)を使用し、KHコーダーを用いて頻出語分析、共起ネットワーク図の作成を行った。「薬」「症状」「居眠り(もしくは睡眠に関する内容)」の語が多く抽出されたことからは、患者の人生においては症状管理が患者の人生においてウエイトをしめていることが考えられた。さらに、共起ネットワークからは居眠りに対する社会的な厳しい評価の認識、周囲からの理解を得ていくことの重要性と難しさがうかがえた。「受け容れ」「付き合う」「向き合う」といった単語の抽出は、ナルコレプシーとの共存を意味するものだと考えられた。質問紙調査データのパス解析結果からは、心身機能が十分に発揮された状態であることには、自分自身を受け入れていることや前向きな諦めが影響していることが明らかとなった。ナルコレプシー患者の回復は適応的な状態にいたる心理過程ととらえることができ、症状管理支援も含めた包括的な支援が患者の生きづらさの回復に寄与することが考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究は、当事者参画によって行われる研究である。患者からの直接的な情報収集の手段として、グループミーティングの開催、先行事例の視察(国外の医療機関)を予定していたが、コロナウィルス感染拡大の影響を考慮し、延期した。また、医療機関への負担を考慮し、アンケートが未実施となった。
グループミーティングは開催できていないものの、当事者との交流は継続しており、今後の調査実施に向けて準備を進めている段階である。

Strategy for Future Research Activity

過眠症患者ケアにかかわる医療者への調査を行う。さらに、当事者と協働し患者の生きづらさの構成要素を検討し、患者の生きづらさ回復に向けた具体的支援について、患者側が求める支援について整理していく。

Causes of Carryover

海外の医療機関への視察を予定していたが、コロナウィルス感染拡大の影響から中止としたため使用額の変更が生じた。
次年度以降、海外視察が可能になれば出張費として使用する。
また、今後は調査研究の発表のための経費として使用していく。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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