2021 Fiscal Year Research-status Report
保健医療現場の動的な日常における患者の転倒転落を回避するレジリエントな実践の解明
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21K10700
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Research Institution | Japanese Red Cross College of Nursing |
Principal Investigator |
田中 孝美 日本赤十字看護大学, 看護学部, 准教授 (60336716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西片 久美子 日本赤十字北海道看護大学, 看護学部, 教授 (90316307)
藤田 淳子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国立看護大学校, 教授(移行) (10553563)
石原 美和 神奈川県立保健福祉大学, 実践教育センター, センター長 (10803976)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | レジリエント・ヘルスケア / 転倒 / 安全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、レジリエント・ヘルスケアの概念と手法を用いて、保健医療現場の動的な日常における患者の転倒・転落を回避するレジリエントな実践を解明することである。転倒・転落は、発生頻度の高い医療事故であり、これまでの先行研究によって明らかになったリスク要因を踏まえ、保健医療の現場では転倒・転落リスクアセスメントツールを用いてハイリスク患者を特定してきが、転倒・転落予防のケアを実践することには必ずしもつながらないという課題が指摘されている。なお、本研究における保健医療の現場は、地域医療支援病院を基本としつつ、実践の特徴を比較検討することでそのメカニズムをより理解することができると考え、訪問看護の現場も含むこととしている。 【2021/初年度】は、第1段階:二次データを用いた現状分析と予備的分析を次のように実施した。①医療機関の事故報告書過去1年間に相当する成人・老年患者の転倒・転落事例を抽出し、転倒・転落の発生にかかるバリエーションの明確化をはかった。特に、患者/利用者/対象者特性、環境要因、人的要因、教育管理のシステム要因について着目した。②バリエーションとして医療機関と訪問看護領域で特徴的な事例を選択し、安全分析手法による予備的分析の準備を行った。安全分析手法に関しては、レジリエント・ヘルスケアの専門家より専門的知識の提供を得たほか、またレジリエンス・エンジニアリングに基づいた現象の探求と研究手法に関する意見交換を行い、今後の示唆を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍における適切な研究遂行を検討しているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に基づき、研究目的を達成するため、2022年度にできるだけ研究の遂行をすすめる。COVID-19感染症の流行等で研究の進行には通常より時間を要するため、研究プロセスに余裕をもって進めていく。
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Causes of Carryover |
コロナ禍で対面の研究会実施を見合わせ、Webで研究会を実施したため。
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