2021 Fiscal Year Research-status Report
脳活動のモニタリングと集団認知行動療法を融合した児童虐待防止プログラムの開発
Project/Area Number |
21K10704
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Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
木村 涼平 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 講師 (00742264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
緒方 浩志 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 講師 (20782692)
上田 智之 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 准教授 (70586320)
増満 誠 福岡県立大学, 看護学部, 講師 (10381188)
阿南 沙織 福岡国際医療福祉大学, 看護学部, 助教 (30783766)
大橋 知子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 講師 (50435129)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | NIRS / 脳活動 / 児童虐待 / 産後うつ / 愛着形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1ヶ月健診時における母親の脳(左前頭前野)の活動実態と抑うつ傾向の状況、及び生活上で困難を感じている要因を明らかにし、これらのデータをもとに母親に対する集団認知行動療法を活用した児童虐待防止プログラムを開発することである。 令和3年度は、EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)とQIDS-J(簡易抑うつ症状尺度)、及び脳活動測定を用いた、1ヶ月健診を受診する母親の脳活動の実態調査と、育児困難感に関するインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、日本政府からの緊急事態宣言、まん延防止重点措置の発出により、医療機関に向けた調査を実施することが困難であると研究者間で判断したため、先行研究による文献検討等を行い研究の精度を高め、令和4年度の実施に向け準備を進めた。 文献検討において、信頼性と妥当性のあるEPDSについて脳活動測定を併せて実施する意義を明確化するための検討を実施した。EPDSはカットオフ値より高値は産後うつのリスクがあり受診が推奨されるが、カットオフ値未満の場合は受診までは推奨していない現状がある。カットオフ値未満であっても身体症状等の訴えがあることは事実であることから、EPDSを活用するにあたり、カットオフ値だけを目安に判断するのは抑うつ傾向を見逃す可能性があることが近年明らかになりつつある。特にカットオフ値未満であっても各質問項目に該当するものが場合は、産後うつのリスクを否定することができないことが示唆されている。 また、産後うつの要因となっている特性不安についても言語流暢性課題で脳活動を変化させることも明らかとなっている。 そのため、EPDSやQIDS-Jを用いた尺度による評価に加え、脳活動を測定することの意義については非常に重要であるとともに、可視化することで今まで見えなかったストレスの存在に気づくことの重要性は大きいものがあると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍における医療機関への協力要請を十分に行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
調査に向けた準備として、先行研究による調査内容をブラッシュアップし、令和4年度の調査に向けた準備を整えることができたため、令和4年度から脳活動測定等、医療機関への協力要請を行い調査活動を実施する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言及び、まん延防止等重点措置により会議開催がオンラインとなったことや、研究遂行に遅滞が生じたため、出張費等の支出減により令和4年度に繰り越すこととした。
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