2021 Fiscal Year Research-status Report
離島在住がん患者の疼痛緩和をはかる看護師向け遠隔教育プログラムの開発
Project/Area Number |
21K10714
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
清水 佐智子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (50331525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根路銘 安仁 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 疼痛緩和 / 離島 / 看護師 / 教育プログラム / 遠隔教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、離島看護師を対象とした遠隔疼痛コントロール教育プログラムが、看護師の疼痛コントロールに対する知識と自信を高めるかどうかを明らかにすることである。 生涯で男性の3人に2人、女性の2人に1人ががんに罹る時代となったが、がん患者の4割が亡くなる前の1か月間に痛みやつらさを抱えていたことがわかっている。痛みをとることは、苦しみの緩和だけでなく、住み慣れた家で最期まで過ごすことを促進するために重要で、迅速な対応が必要である。 がん患者は都心だけでなく離島でも暮らしており、離島がん患者の疼痛緩和も検討する必要がある。離島は医療施設や医療者数が少ないために、がん患者の疼痛緩和には、看護師の疼痛緩和の知識や技術が特に重要となる。患者に直接関わる機会が最も多いのは看護師だからである。しかし、離島の看護師は、地理的な要因、人的余裕がない、院内教育が少ないなどから疼痛緩和を学ぶ機会が少なく、疼痛緩和に対する自信がない人が多い。現在、情報通信技術の発展により、遠隔による研修が増えていることから、離島看護師への疼痛緩和に関する遠隔教育実践が、知識や技術向上に有益と考えた。効果的な教育の実践には、離島看護師の特徴を加味した教育プログラムを用いることが重要と考え、遠隔疼痛コントロールプログラムの開発を計画した。最初の取り組みとして、離島看護師の疼痛緩和に関する現状の把握が必要と考え、アンケート調査および、インタビューを実施することを計画した。調査項目は、離島看護師の疼痛緩和の知識や実践状況、疼痛コントロールに対する自信や学習上の障壁、プログラムへの希望などである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
倫理審査委員会の承認を得てアンケート依頼準備を完了した時点とCOVID-19感染拡大時期が重なり、現在、依頼ができていない状況である。依頼地域として、鹿児島県、沖縄県の離島を設定しているが、離島は特に感染者の発生が個々の医療従事者の負担に直結する。アンケートへの回答が負担となる可能性が高いと判断し、依頼を延期することとした。インタビュー対象者はアンケート用紙にて希望者を募る予定であったため、これも依頼ができていない。予定では、アンケートやインタビュー結果をもとにプログラム原案を作成する予定であったため、原案作成も着手できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
現在もなお、全国的にCOVID-19感染拡大状況が継続しているが、新人看護師の入職で多忙な時期を避けた5月の連休明けに、離島の医療施設(病院、クリニック、診療所)にアンケートの依頼を行い、6-7月頃に調査を実施予定である。アンケート用紙にてインタビュー対象者を募る予定であるため、回答を得て随時インタビューも実施する。結果をまとめ、第37回日本がん看護学会に投稿する予定である。
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Causes of Carryover |
調査対象である鹿児島、沖縄の離島において2022年1月以降、COVID-19感染拡大が持続している。感染者の増大は医療者の負担増に直結するが、アンケートの依頼はさらなる負担増につながると判断し、依頼時期(管理者への依頼)を延期した。配布用アンケート用紙の印刷費、郵送費、入力作業のアルバイト依頼費、インタビューのテープ起こし代の使用ができていないために、次年度使用額が発生した。2022年5月にアンケート依頼を行い、6-7月頃に実施予定である。インタビュー対象者はアンケート用紙にて募る予定であるため、同時進行で実施する。
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