2023 Fiscal Year Research-status Report
患者の個別性をふまえた術後疼痛経過の予測モデル構築に関する研究
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21K10720
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Research Institution | Yamanashi Prefectural University |
Principal Investigator |
井川 由貴 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (20453053)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 奈央 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (30509427)
高取 充祥 山梨県立大学, 看護学部, 助教 (60781383)
遠藤 みどり 山梨県立大学, 看護学部, 特任教授 (90279901)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 周術期看護 / 術後疼痛管理 / 看護実践の向上 / 疼痛管理の困難 / 栄養指標 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 5施設の看護師84名に術後疼痛管理の実践28項目(112点満点)を調査. 平均点は51.2で先行研究(2015,2017)を大きく下回った. 薬物・非薬物療法の実施,カンファレンス開催等が高く,コミュニケーションスキルを要する説明等の実践が低かった.看護師の疼痛経験,近年の看護基礎教育,感染等の社会情勢,低侵襲手術の普及等の多層構造を加味した検討が必要. 外科系病棟看護師の術後疼痛管理の実践状況-近年の社会変化からの影響の考察-, 第43回日本看護科学学会学術集会 2.看護師84名への術後疼痛管理の困難について質的調査・質的帰納的分析を行い60コードから【鎮痛薬の効果判定や無効時・副作用への対策】【個人差のある主観的な痛み評価】【痛みの個人差を考慮した緩和ケア】【知識不足による非薬物的介入】【疼痛増強による離床推進】の5カテゴリーを抽出した. 外科系病棟看護師が捉える術後疼痛管理の実践における困難と対処, 第43回日本看護科学学会学術集会 3.手術患者164名の栄養指標を説明変数,術後疼痛の経過(NRS)を目的変数として分析. 術前BMIが低い方が術後疼痛が強く, POD1のTP,ALBの低下率が高いほど疼痛は低かった. 術後の蛋白異化作用が高いほど効率的な組織修復が図られ疼痛は低くなる可能性がある. 術後疼痛予測モデルの変数に術前栄養指標と栄養低下率を組み込む有用性が示された.Exploring the Association Between Postoperative Pain and the Nutritional Status in Patients Undergoing Laparoscopic Gastrointestinal Surgery, The 27th East Asia Forum of Nursing Scholars.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書では6県内6施設で調査実施予定のところ、感染対策上の理由から調査実施に赴くことに制限が生じ、1施設の調査が実施できていない。また収集した施設のデータの一部のデータセット化が遅れている。それに伴い本研究の対象疾患・対象手術患者数を確保できなかったためサンプル数の減が生じた。しかしながら計画していた調査は予定通り遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに倫理審査が終了し調査実施可能な未調査施設の患者データの収集に上半期に赴く予定。またデータセットに反映されていない一部のデータを加え、下半期に統合分析を行う予定。すにで調査終了した施設のうち2施設は完了報告を終了しているため、R6年度中に、全施設への研究終了報告を終了する予定。 また研究結果については、R5年度同様に国内外学会での報告と関連テーマの研究者と情報共有し、今後の術後疼痛管理の方向性について示唆を得る。
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Causes of Carryover |
感染対策上の理由から計画書で予定していた調査が未実施である。 すでに研究倫理審査の承認を得ており、R6年度は調査実施予定である。 調査実施施設でのデータ収集にかかる旅費、データ入力にかかる人件費、分析にかかる情報関連機器の利用等にかかる費用、統合結果の学会報告等に係る諸費用のため、次年度使用額が生じた。 R6年度の上半期に調査実施、下半期にデータ処理・データ統合・分析、冬季に学会発表の予定としてそれに伴う予算を使用する予定である。
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